第4話 和解?

「早速なのですが、私、行きたいカフェがあって、ここなんですけど…」

彼はスマホで検索したお店を私に見せてきた。


「あっ!ここ知ってる!雑誌のランキングにも載っていた人気のお店よね。私、行ってみたかったんだ〜」


「一緒に行きましょう!」


彼は足取り軽く、ルンタルンタと歩き出し、道中色々なカフェやスイーツの話題で盛り上がった。

 

 市街地の外れにある、緑に囲まれたログハウス風の洒落た建物が見えてきた。

扉を開くと、木のぬくもりが感じられる温かな店内。オレンジ色の柔らかい光を放つぼんぼりのようなライトがアクセントになっている。


「わあ〜いただきます!うん、うまいです!ここのショートケーキ食べてみたかったんです!ふわふわしたスポンジと重すぎず、軽すぎず、口当たりのいい生クリーム、そして、この大きいジューシーないちご…最高です…」


「それは良かった。初めてカフェで食べるケーキ…とても素晴らしいじゃない!」


〔胡桃の心の中〕 (か、可愛い!こんなにも美味しそうに食べるなんて反則じゃない!ほんっと、憎めないんだから… )


「じゃあ、私もモンブランいただきます。うーん、美味しい!甘味のある大きな和栗に、ほのかに香る上品な紅茶クリームとの組み合わせ…はっ!」


私はまたニヤけが止まらくなりそうだったので、一瞬で我に返った。


〔五郎の心の中〕(田中さんってこんなにも表情豊かで、可愛い人だったんだな…もっと彼女のことが知りたい…)



「美味しかったですね。とても。」


「ええ、そうね。ほんとに美味しかった。それに誰かと一緒にお店に入って、食べるなんて、初めてだったけど、その…たまにはいいのかも…しれないね…」


「私も、田中さんと一緒にケーキを食べれて、とても楽しかったですよ。今度はトロトロのチョコがたまらないチョコフォンデュ、食べに行きましょうね!」


「…うん…ありがと…」


私は少し照れながら小さく応えた。



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