2.魔法使いになりたい。(後編)
敵は粉になって空へと消えていった。
「やった!やっつけたぞ!」
すると後ろから
「お母さん!」
粉に向かって泣き叫ぶ女の子の声。
「いかないで!お母さん!!うわあぁぁん!」
ついには泣き出してしまった。
そしてそれに便乗して周りの人も、
「まぁ、可哀想に。」
「あいつは人殺しだ!」
「「殺せ!」」
みんな口々に私にひどいことを言ってくる。
「な、なんで…!」
私は耐えられずステッキを自分に向かって振った。
だんだん体が軽くなってくる。
あぁ。私は、ただ。
「人を救って笑顔にする。そんな魔法少女になり、た、か…」
あぁ。そういえば私は。魔法少女なんかじゃなかった。
私が最後に見たのは血が付いたバッドと一人の女性の死体。
短編小説集「ニンゲン」 夢乙女 @hononome123
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