第2話 第一楽章(2)
「な…なにこれ…?なんでこんなに人が多いの!?」
「なんかね~元から人が多かったのに、今年の新入生の見学が多いんだって!」
噓でしょ…。私、葉山澪は大人数があまり得意じゃないからサイエンス部選んだのに!?
大人数は得意じゃない。だって他人がどう考えているか、私がどう思われているかなんてわからないし。だから人が極力関わらない少人数の部活を選ぼうとしてたのに…!
「新入生のみなさ~ん!今回はバドミントン部の体験に来てくださりありがとうございます!部長の石田です!」
「こんにちは。副部長の坂口です。今回はバドミントン部の体験を通して自分に合った部活を選べるようにしてください。」
ん?しれっと聞き流しちゃったけど体験って言ってた?
「陽菜?体験ってどういうこと?見学と聞いていたけれど?」
「え~と、体験って言っちゃったら澪来ないでしょ?」
つまり私はまんまと陽菜にはめられたってことだ。
「まぁまぁもういいでしょ!一緒にやろ~!」
そのあと…
「はぁ…はぁ…なんで…そんなに…動けるの?」
さすがに…スポーツ推薦で入っただけあって、かなり動いていた。
「澪ってそんなに体力なかったっけ?でも、楽しかったでしょ!」
「それほどでもないけどね…」
ホントはちょっとだけ楽しかった。だけど、なにか、何か違う。
これじゃない。楽しいけど、やりたいことではない。
「陽菜?明日は別の部活、見に行くよ。」
「え~私はバドミントン部でいい~」
「ふぅ~ん?私は連れてこられたのに。陽菜は一緒に来てくれないの?」
「あ…行きます…。」
明日はどの部活に行こうかな…?
今日は、8時に第3話を公開する予定です!
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