第2話 始まりの地に着く……気配がないよ

森に生っていた果実を食べるなどしてなんとか夜を過ごすことができたみそだれは川下に向かって歩き出した。


「昨日と合わせたら3時間ぐらいは歩いたと思うが、町どころか人の気配もしないな。モンスターにあれから出会ってないのはいいことだと思うのだが。しかし、異世界転生って何でも上手く事が進むのが普通だと思ってたなー」



//3時間後…


「人が恋しいよ!!もう計6時間だよ?まだ6時間かも知れないけど、人の気配ぐらいあってもいいんじゃない?女神様?さん?どこに転生させてるのよ。生き物に会ってないせいで、あのモンスターすらも会いたくなってきたよ」


愚痴を言いながら歩いていたところ、森から川の方に歩いてきた2匹のモンスターと目が合ってしまった。


「はいー!フラグ回収早い!ねぇ。しかも2匹同時に相手できるのか?」


刀を構え猿のようなモンスターがいつ襲いかかってきてもいいように備える。

「この状況に冷静でいられるのが不思議なんだよね」


「「ギギー」」

みそだれは右に飛び避けながら1匹の腹を切り裂く。


「ギャァー」

モンスターは一瞬怯んだがすぐに襲いかかってきた。

「くそ、浅かったか」

それでも怪我をしているモンスターの動きは少し鈍くなっていたため、みそだれは狙いを定め、首を一刀両断した。


「血ーー!!はぁ血に慣れないとなぁ。おそらく魔力のおかげで体や服に血がつかないのは嬉しいが」

もう1匹のモンスターが舌を刀に向かって伸ばしてきたが、その舌を刀で切り、そのままモンスターに向かって走り、首を切り裂いた。


「2匹でも何とかなったな。しかし、自分でも驚くほど動けるよなー、魔力のコントロール力をくれたところは女神に感謝だな」

川で水を飲み少し休憩をしてから再び川下へ歩き始めた。



//2時間後

「魔力のおかげで疲れにくくなってるのかいつまでも歩ける気がする」


//3時間後

「流石に疲れてきたな。着かないかなー」



//2時間後

「そろそろ夜になるか。町が存在するのか不安になってきたよ。さあ、野営するかー、今日は30分ぐらいで火をつけたいな」

焚き火に使う木の枝を探していたところ、川に魚がいるのを見つけた。


「タンパク質!この世界にそういう概念があるのかはわからないが、絶対に獲る!」



「うおーー!」

ヌリュ


「うおーーーー!」

ぬるんっ


「う、うおー」

ずるん


「おー」

ずるん…ずるん


「…」

ずるん


「…」



「ここだ!!」

「獲ったぞー!!!!!」



//

「うんまぁーーー!!」

塩も何もかけてないが、味がしっかりとしていて脂たっぷり身も柔らかい。いつか塩焼きにして食べたいな。元の世界の川魚より美味しいかもしれない。 


本の野営について書かれているところを読んでから寝よっと



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