人間のクズ

主人公は人間のクズだ。
倫理観で言えば、
万死に値する。
計画的に、殺す人間を探し、拉致して、自らの快楽のためだけに人を殺す。
主人公はその殺しの中で失態を犯し、命が途絶える。
しかし、次に目を覚ましたとき、
主人公は異世界にいた。
青黒い鱗でびっしりと覆われた肌を持つリザードマンのいる世界に転生した。
いや、転生···というよりは、その世界の屈強な戦士の体に乗り移った。

物語を作る作者は何を書いてもいい。
倫理感ゼロの人殺しに快楽を見出す主人公を描いてもいい。
けれど、物語は語り手と読み手がいてこそ成立する。
ただのクズ主人公が快楽を求めて、人を殺して高笑いするだけの物語。
そんなヘドが出るクズ物語を我々読者は求めていない。
作者様は、そんなクズ主人公に我々を共感させるシチュを作り出した。
血が沸き立ち、肉躍る。
我々、読者が求めるのは、共感できる主人公による殺し合い!
平和な法治国家に育ち、平和を愛していても、やはり求めてしまうのだ。

胸に迫る、野蛮な激しい闘いを。

メッチャメチャ期待してください。
そして、心から叫ぼう。
やっちまいな〜📣♪

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