ある日ふと、自分が誰かを好きだった記憶が蘇った。
けれど記録も記憶もなく、相手は誰かも、いつのことだったかも、思い出せない。
これは、そんな中でしおりと本を通じて少しずつ綴られ、蘇っていくまだ見ぬ“あなた“との恋の記録……あるいは記憶の物語。
わからないはずなのに愛おしいという主人公の心情や、文字に滲む“あなた”の優しさが丁寧であたたかなタッチで描かれていて、思わず引き込まれます。
また、10000字に届かない短さとは思えない満足感で、途中で主人公が思い出した記憶や“あなた“との再会、そして結末は涙なしでは見届けられません……!
あたたかさと優しさに包まれ、心がふわっとする……そんな本作を、ぜひご一読ください!
主人公の女性、遥は、ふっ、と、誰かを好きだった────、と、唐突に思い出す。
思い出す?
記憶はまったくなく、誰のことか、わからない。
でも、たしかに、誰かを恋慕していた感覚だけが、自分に残っている。
不思議に思う遥。
そして、本棚の奥に眠っていた本と、挟まれた栞に残されたメッセージが、見知らぬ『あなた』のぬくもり、優しさ、愛の気配のようなものを、遥に感じさせる。
本と、栞でつづられていく、見知らぬ『あなた』との恋……。
不思議さと、顔も知らない、名前も知らない『あなた』に恋に落ちていく浮遊感がたまりません。
1ページ読むと、続きが気になって、最後まで読みたくなってしまいますよ!
自分の書いたものを目の前で読まれると、くすぐったくなる。
けど、読むペースはわかってる。
クスッと笑うタイミング。
そのとき、一瞬目が合う。
けど、感想は後でねと、また文章を追うときの彼女の目が好きだ。
物書きは、人に自分の書いたお話を読んでもらって、成立する。
カクヨムでは、それがネットを駆け巡り、名前も知らない誰かが読んでくれて、おもしろかったですって、飛び上がるほどうれしいメッセージをくれる。
目の前で、読まれるのはくすぐったい。
けど、物書きは書いたものを読んでもらってこそ、成立する。
だから、自分の口で語るなんて、ナンセンスだ。
くすぐったくても、書いたものを読んでもらう。
それが好きな人であっても。
それでこそ、物書きだ。
物書きであったら、
好きな人に、
目の前で作品を読んでもらうことがあると思う。
このお作品を読むと、
そのときの感覚が思い出される。
既視感みたいな感覚。
ぜひ、感じてみてください🤗✨