第11話 処女喪失と原始の快感

琴音の身体は熱に支配され、完全に慧の支配下にあることを無意識に受け入れていた。ブラジャーの上から乳房を揉まれる刺激は、琴音の身体の奥底から尽きることのない快感を呼び起こし、慧の指がショーツ越しに鼠径部を撫でると、琴音の個の意識はまるで水に溶ける砂糖のように希薄になっていく。もはや、抗う力はどこにもない。慧が神酒を琴音の股間に注ぎかけると、ひんやりとした感覚から内側が燃え上がるような灼熱が襲いかかり、琴音の口からは、もはや人間の言葉ではない官能的な声が漏れ出す。頭の中は真っ白になり、自分は水瀬琴音ではなく、ただ「女」であるという根源的な認識だけが残された。


慧の掌が琴音のショーツの縁に触れる。そして、ゆっくりと、しかし容赦なくショーツを下げていく。薄い布地が肌から離れると、冷たい空気が露わになった股間に触れ、琴音の身体はゾクリと震えた。その直後、慧の視線が、琴音の女性器に注がれた。そこには、穢れを知らない、清らかな肌が広がっていた。


一条慧の、硬く熱いものが、琴音の股間に押し当てられる。ひやりとした肌に、熱い塊が触れる。それは、今まで感じたことのない、異質な硬さと温かさだった。琴音の身体は、本能的に強張り、微かに腰を浮かせようとするが、それも神酒によって鈍った身体には叶わない。


ゆっくりと、しかし確実に、それが琴音の身体に侵入してくる。


「っ……!い……た、い……っ」


激痛が、琴音の身体を貫いた。処女を失う、裂けるような痛み。内側から肉が押し広げられる感覚、膜が破れる感触。身体の奥深くへと、熱い塊がゆっくりと、しかし確かな質量を持って入ってくる。


だが、その痛みさえも、神酒がもたらす圧倒的な快感の炎に飲み込まれていくかのようだった。痛みは、やがて甘美な圧迫感へと変わる。身体の内側を満たしていく、熱く、ねっとりとした異物の存在。その瞬間、琴音は「人である」という意識さえも失った。もはや、思考は存在しない。感情も意味をなさない。あるのはただ、身体を貫く熱と、その中心で燃え上がる快感の炎だけだった。


琴音は、快感の淵へと深く沈んでいく。獣のように。本能のままに。琴音は、ただその甘美な、抗えない衝動に身を任せるしかなかった。

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