5.運命
古びた小さな部屋にかろうじて設置された窓から覗く空は、黄昏の様相へと変わりつつあった。
典礼中に倒れてヨハンによってこの部屋に運びこまれ、ヨハンを追い出したクレドによって首筋から血を啜られ、そのまま意識を失った。果たしてあれは今日のことなのか、それとも既に数日が経っているのか、時間の感覚も朧げだった。
思うように動かない身体を叱咤しながら、キリエは扉の近くに垂れ下がっている紐を引き、鈴を鳴らした。
伝えなければならないことがある。忠誠を捧げてくれた、自分だけの騎士に。
ほどなくして小間使いがやってきて、キリエに用向きを訊ねた。
「聖堂騎士の……ヨハンを呼んできて」
小間使いを呼んで用件を伝えただけで、キリエの身体は再びの休息を求め、寝台に横になるなり瞬く間に思惟が闇に沈んだ。
次に意識が浮上したのは、扉を叩く音とすっかり恋しくなったあの声が聞こえたときだった。
『キリエ、ヨハンです。入りますよ』
すぐに駆けつけてくれたのであろう、ヨハンの声は荒く弾んでいた。
応えを待たずに扉を開いたヨハンは、寝台の上でぐったりと臥すキリエの姿を見るなり、焦燥を隠せない様子だった。
「キリエ……!」
慌てて駆け寄り、ヨハンはキリエの傍らに膝をつく。肩を掴まれ揺さぶられ、ようやく重い瞼が持ち上がった。
「キリエ、大丈夫ですか?」
「ヨハン……来てくれたんだ……」
「貴方のためならば当然です。どうしたんです、もしや気分がすぐれな……」
ふと、ヨハンの視線がある一点に注がれた。
そっとキリエの髪を掻き分けると、その首筋に残っていた痕──一直線に引かれた紅い傷痕を凝視する。
「これは、まさか……」
戦慄するヨハンにキリエは小さく頷いた。
「ヨハンと別れた後、クレド様がここから血を……」
「なんてことを……!」
頸動脈にほど近いこの箇所は、多くの血が流れる。クレドはおそらくそれを熟知した上でここを切り裂いたのだろうと思う。
傷自体は神子の力で塞がっている。しかし、いつにも増して酷い疲労感が纏わりついて離れない。
一気に血を吸われた影響なのか、それとも……
「とにかく、傷口を洗いましょう。すぐに水をお持ちし……」
「ヨハン……」
立ち上がろうとしたヨハンを、キリエは静かに呼び止めた。寝台の上で身体を起こそうとすると、ヨハンが支えてくれた
「傷のことなら大丈夫。それよりも、伝えないといけないことがあるんだ。……神子の力のこと」
それは本来ならば日中伝えようとしていたことだった。しかし、クレドの来訪によって遮られてしまい、宙に浮いたままになっていた。
「どうしてもヨハンに伝えたくて……聞いてもらえる?」
そう訊ねるキリエの声色は、不安に震えていた。
声と同じように震え、冷たくなっているキリエの手を温めるように包み込むと、ヨハンははっきりと頷いた。
「わかりました、聞かせてください。必ず受け止めますから」
ヨハンが頷くと、キリエもまた意を決して目を閉じ、大きく息を吐いた。
「これは、僕とクレド様しか知らないことだけど……神子の力は、命と引き換えに使われる」
それを口にした途端、ヨハンが息を呑む気配が伝わってきた。キリエの手を温めてくれていたその手が、少しずつ震えだす。
それでも、キリエは言葉を止めなかった。──もう、伝えられるのは今しかない。
「神子は自分の命と引き換えに、癒しの力を使う。だから、歴代の神子たちの殆どが、二十歳を迎える前に亡くなってる」
「待ってくださいキリエ。ということは、まさか……」
キリエは淡く微笑む。切迫したヨハンの眼と視線が合った。ヨハンはいつも冷静だが、その眼だけはいつも多くを物語っていた。
聞きたくない。これ以上は、もう──そう言っているのも、はっきりと伝わってくる。
しかし、キリエは現実を伝えなくてはならなかった。
「初めてヨハンに助けてもらったとき……ううん、それよりも少し前から、予感はしてた。僕ももう、そろそろみたい」
「……っ!」
訥々と、キリエは自らの運命を語る。
癒しの力を使うたび、そしてクレドに血を啜られるたび、力と共に命が流れ出ていく感覚があった。命の嵩は日を追うごとに減っていき、身体はどんどん冷たくなっていった。
身体に掛かる負荷は増していき、いつか堪えきれなくなる日がくる……そしてそれが今日、ついに起きてしまった。
「……い……」
目を見開き肩を震わせていたヨハンの声は、驚くほどに掠れていた。
キリエのか細い手に縋りつき、ヨハンは普段の冷静さがまるで嘘のような剣幕で懇願した。
「どうか、嘘だと言ってください……貴方がいなくなるだなんて、そんなこと……!」
その言葉に応えるすべをキリエは持ち合わせていなかった。返せるのは、否定の意味を孕んだ沈黙のみ。
人々を癒す神子の無情な結末を知り、ヨハンはやり場のない思いに苛まれていた。
「……キリエ、今すぐここを出ましょう。夜に乗じて身を隠せばきっと見つかりません。私が貴方を守ります」
ヨハンの無茶な提案に、キリエは黙って左右に首を振る。
「ここより東に、医学の発展した国があると聞いたことがあります。そこに行けば、貴方を救う手立てが」
「ヨハン」
言い募るヨハンをキリエはやんわりと遮り、再び左右に首を振る。
「そんなことをしてはだめ。見つかれば極刑だよ」
「ですが、このままでは貴方が!」
「大丈夫。僕がいなくなっても、すぐにまた新しい神子が生まれる。だから癒しの力が絶えることは」
「そういうことじゃない!」
キリエの言葉を、今度はヨハンが強く遮る。
今まで聞いたことのないヨハンの激しい声色に、キリエは言葉を失った。
キリエの白い手を握りしめ、ヨハンは懸命に訴えかけた。
「確かに神子は新しく生まれてくるかもしれない。でも、貴方は一人しかいないでしょう!」
「……っ!」
「貴方がいない世界など、考えられない……私は貴方を、心からお慕いしています、キリエ」
そう言ってヨハンはキリエの手を掬い上げ、甲に唇を寄せた。
聖堂騎士がおこなうその口づけは、最大の忠誠と敬愛を示すもの。その聖堂騎士の生涯の中で、たった一人にしか捧げることはないという、神聖にして崇高な口づけ。世俗に疎い自覚のあるキリエも、その意味は知っていた。
口づけを受けた途端、キリエは自らの中で何かが切れるのを感じた。今まで張っていた虚勢が、音を立てて崩れていく。
「……ずっと……」
ようやく絞り出したその声は、嗚咽に震えていた。視界が滲んで、涙を堪えきれない。
「ずっと、これが役目だから、使命だからって、自分に言い聞かせてた……力を使うことで、感謝されることも嬉しかった。でも……」
眦から、大粒の涙が滑り落ちていく。堰を切った涙はとめどなく溢れ、頬を濡らしていく。
「ヨハンといると、生きていたい……死にたくない……ヨハン以外に触られたくないって、思うようになって……」
続く言葉が涙に呑み込まれいく。
運命に流され続け、誰にも気づかれないまま押し殺し続けていた感情を、キリエはようやく口にした。
「本当はヨハンと、一緒に生きていたい……!」
肩を震わせ泣きじゃくるキリエを、ヨハンは抱きしめた。
一緒に生きていたい。たったそれだけの願いがきっと叶わないことを、二人はわかっていた。
弱りきったこの身体でクレドに血を啜られ続ければ、キリエが力尽きるまでそう時間は掛からない。
ヨハンが無理矢理連れ出そうにも、キリエには強行軍を乗り切るだけの体力が残っていない。
気づいたときにはもう、二人の力だけではどうすることもできないところまで来てしまっていた。
「……ねえヨハン、お願いがあるんだ」
歯噛みするヨハンの腕の中で、キリエはそっと声を上げた。
「僕はもう長くは生きられない。本当はもっと、ヨハンといろんなところに行ったり、教えてもらいたかったけど、きっとそんな時間はないって、なんとなくわかってる。……だからね」
キリエは自分よりも上背のあるヨハンの顔を見上げ、囁くように言った。
「僕、ヨハンとの思い出が欲しい……」
「な……っ」
キリエの言葉の意図は、ヨハンにはっきりと伝わったらしい。
言葉を失うヨハンに、キリエは冷静に言い募った。
「酷いお願いをしているのはわかってる。……でも、ヨハンに触ってほしい」
そう言ってキリエは、自ら祭服の前を寛げようとする。しかし、その手をヨハンに阻まれた。
「いけません。貴方に負担が掛かりすぎます」
「……よかった。いや、とは言わないんだね」
安堵して不意に溢れたその言葉は、ヨハンの本心を突いたようだった。
キリエは言葉を失っているヨハンの手を握り返し、自らの胸に導いて押しつけた。
「負担が掛かってもいい。このまま何もせずに後悔する方が僕はいや」
言葉を紡ぐたび、心臓の鼓動が強くなるのを感じる。今まで感じたことのない高揚とほんの僅かな恐怖心が、触れられた胸元からヨハンに伝わっていくようだ。
沈黙し、目を伏せてヨハンは逡巡していた。忠義に厚い聖堂騎士であるヨハンに、このような酷い選択を強いてしまっていることに罪悪感が募る。
聖堂騎士として『神子』への忠義を貫くか、一個人として『キリエ』に心を捧げるか、狭間でヨハンの心は揺れている。
深く呼吸をしたヨハンは、顔を上げて言った。
「……わかりました」
意志を固めた声色で、ヨハンは頷いた。
ヨハンはキリエの手をそっと解くと、その手で頬の稜線を撫でた。
互いの身体と顔の距離がぐっと近づき、間近に視線が絡まった。ヨハンの水色の瞳に深く見つめられ、吐息が唇に触れた。
「ですが、私も男です。途中でやはり厭だと言われても、止められないかもしれません。それでも良いですか?」
「いい。……そのまま、死んでもいい」
だから、お願い。
キリエの最後の懇願に、ヨハンは再び頷いた。
キリエの頬を撫でていた手で白金色の髪を掻き分け、頸を掴んで上を向かされる。
水色の瞳に覗き込まれ、ほどなくして唇が重なった。初めて触れるヨハンの唇は温かく、まるで命のぬくもりそのもののようだった。
離れては啄まれ、そうして触れるだけの口づけを繰り返される。くらくらと目眩を覚える甘さと愉悦に意識を押し流されまいと、キリエは無意識のうちにヨハンの衣服を掴んでいた。
「……大丈夫ですか?」
唇を離し、ヨハンが気遣わしげに訊ねてくる。今ならまだ引き返せる、とでも言いたげに。
しかしキリエは、まっすぐにヨハンを見つめ返した。
「大丈夫。だから、続けて……」
囁きを半ば飲み込むようにして再び唇を塞がれた。先ほどよりも強く、深く。
重なったまま、唇を舌先でそっと舐められた。ぴくりと背筋を震わせ、どうしたら良いのかわからずにいると、ヨハンは唇を離して教えてくれた。
「口を開けて」
言われるがままに開いた唇から、ヨハンの舌が忍び込んでくる。身を竦ませるキリエをヨハンは逃さないように抱きしめ、口蓋を舐め上げられた。
「ん……ぁ……っ」
無意識に喉の奥から喘ぐような声が溢れた。それでもヨハンに応えたくて、キリエもまた自ら舌を絡めていく。口づけは徐々に濡れていき、溢れた唾液が二人の唇の端を伝い落ちていた。
舌を絡め合わせたまま、そっとヨハンに身体を押された。抵抗できないままにキリエは寝台に横たえられ、ヨハンに組み敷かれる体勢になっていた。
ヨハンの唇が離れていく。離れていくその唇が惜しいと感じた瞬間、キリエの眦からは新たな涙がこぼれ落ちていた。
「やはり、お厭でしたか?」
ヨハンの指先に涙を拭われながら訊ねられるが、キリエは左右に首を振った。
「そうじゃない……ただ、僕は駄目な神子だなあって……」
物心ついたときから事あるごとに言い聞かされてきた戒律。
公平でなくてはならない、私欲に走ってはならない、そして……
「恋をしてはならない……ずっと、そう言われていたのに……」
ヨハンへの想いをはっきりと自覚し、呼応するように胸の奥が軋むように痛む。強く禁じられていた想いを抱いてしまった自責の念が、キリエの心を激しく苛んだ。
涙を流すキリエ瞼にヨハンがそっと口づける。罪深い神子を謗ることなく、静かにヨハンは受け入れる。
「私も共に責を負います。誰がなんと言おうと、私だけは貴方の味方です」
忠誠心はそのままに、思慕の形を変えて、傍に在り続けることを誓う。
この想いはきっと同じく罪深いもの。けれど、伝えずにはいられない。
「愛しています、キリエ」
「っ、ヨハ、ン……っ!」
涙に濡れる声を、もはや幾度目かもわからない口づけで塞がれた。無我夢中で舌を絡め合いながら、かつて知らない愉悦の淵へとヨハンと二人で堕ちていくのを感じた。
キリエの肩を滑るように、ヨハンは祭服を脱がせていく。膚が露わになると同時に傷痕もまたヨハンの目に触れ、そのたびに彼の眼差しが剣呑になっていくのがわかった。
こうして好きな人と抱き合える日がくるのなら、傷のない綺麗な身体でいたかった……そんなどうしようもない悔しさを噛み締めていると、ヨハンは一番新しい首筋の傷痕に唇を寄せ、舌を這わせてきた。
「ん……、んっ……」
治りかけで膚が敏感になっているのか、無意識に溜息が溢れた。冷たい刃と無慈悲な舌に蹂躙された記憶を、ヨハンの唇と舌が優しく上書きしてくれる。
擽ったさと、じわじわと広がってくる未知の感覚に震えながら、キリエは小刻みに身体を捩る。そんなキリエをヨハンは押さえ込み、鎖骨、肩、胸のあたりへと少しずつ下降しながら、すべての傷痕を舌で慰撫していく。
「あ、あっ……ヨハ、ン……」
「どうしました?」
未知の感覚に翻弄されっぱなしのキリエは、荒れた呼吸の中でヨハンの名を呼んだ。鼓動が速く、忙しなく上下する胸と肩を抑えられない。頬が熱く、頭がぼうっとして焦点が合わなくなってきていた。
「もしや、身体がつらいのですか?」
「違う……なんだか、凄くどきどきしていて……でも、ヨハンに触ってもらえるのが嬉しくて、幸せで……」
たどたどしく言葉にしながらキリエはようやく思い知った。自分が、そして身体が、ヨハンに触れられて悦んでいることに。
「もっと触れても?」
ヨハンが低く訊ねられ、キリエは小さく頷く。
するとヨハンは深く息を吐くと、胸元に顔を伏せ、硬く主張する乳首を口に含んだ。
「や、あぁ……っ!」
弾力を楽しむように柔らかく喰まれ、舌先で転がされる。そのたびにキリエは惑乱し、甘い声が溢れるのを抑えられなかった。
「ん……ん、んん……!」
しどけない自らの声が恥ずかしくて、キリエは堪えるために唇を噛んだ。すると、ヨハンはもう片方の乳首を指先で摘み、二指の間で弄んだ。
「あっ……や、ん……、んん……!」
「声、我慢しないでください」
抵抗も虚しく、ヨハンの愛撫にキリエは理性はあっさりと陥落した。羞恥を遥かに上回る喜悦と快感が身体中を満たそうとしていた。
ヨハンは乳首を弄んでいた手でキリエの祭服の裾を捲りあげ、その奥に触れた。瞬間、ぞわりとした何かが一気にキリエの背筋を走り抜けた。
「あ……、あ……っ」
祭服の奥、脚衣越しに中心に触れられ、期待とも羞恥ともつかない溜息がキリエの唇から溢れてくる。キリエのものが芯を持ち昂っていることは、布越しにもヨハンに伝わっているだろう。
どうしたら良いのかわからずに当惑していると、ヨハンはそっと脚衣をずらして陰茎に指を絡めてきた。指先で輪郭をなぞり先端に触れられると、刺激と羞恥に堪えきれずにあえかな吐息と喘ぎとが溢れた。
「い、や……っ、そんなところ……!」
「大丈夫。このまま……」
優しく陰茎を扱きながら指先で先端を愛撫される。強い快感に、身体が波打つのを止められない。ただひたすら、純粋な官能がひたひたと押し寄せてきていた。
「あっ、や……、あ、あ……んっ……!」
甘く喘ぐキリエの目元に涙が浮かんでくる。細い指でヨハンの腕に縋りつきながら与えられる快楽に翻弄された。
「気持ちいいですか?」
そう訊ねるヨハンの声は、キリエが知っているものよりも低く掠れていて婀娜めいていた。
キリエは荒れた呼吸に声を震わせながら答えた。
「気持ち、よすぎて……変に、なりそう……っ」
「そのまま感じていてください。すぐ楽にして差し上げます」
そう言ってヨハンはキリエを追い詰めるように手を動かした。先よりも膨らんできたものを擦り、先端に爪を立てて割れ目をこじ開けられる。
「や、あっ、だめ、そんな……あ、ああっ……!」
ヨハンの手に導かれるままにキリエは声を上げ、乱れていく。酷くはしたなくて恥ずかしいのに、腰が揺れるのを抑えることができない。
溢れた腺液がヨハンの手を汚し、それがまた摩擦を滑らかにしていく。肉欲を知らない清らかな陰茎はヨハンの手の中で張り詰め、切なく震えていた。
「お、願い、やめっ……、もう……っ」
「出していいですよ」
「っ、あ、ああっ……!」
促すようにヨハンが指先で先端を弾かれた瞬間、キリエは手の中で果てていた。
喉を仰け反らせながら絶頂したキリエは、何度もヨハンの手に精を溢しながら大きく胸を喘がせ、官能の余韻を堪えていた。
「大丈夫ですか?」
ヨハンに問われ、キリエは小さく頷く。羞恥や困惑から解放されて安堵している反面、冷めていく快楽を惜しく感じているのも本心だった。
「だい……じょうぶ……」
「……厭では、ありませんでしたか?」
おそらくヨハンが一番気掛かりだったことだろう。しかし、キリエは迷わず頷いた。
「いやじゃない。ヨハンだから……」
「……嬉しいです」
ヨハンは安堵したように微笑むと、キリエの精に濡れた手をさらに奥の方へと忍ばせた。
肉づきの薄い双丘のあわい。硬く閉じたそこに指先で触れられ、キリエは反射的に身体を強張らせた。
「……っ、そこ……は……っ」
触れられただけでたちまちキリエの呼吸は乱れた。
ヨハンの意図はなんとなく理解できている。望みが叶えられようとしている期待と、未知の行為への本能的な不安が、声色に滲んだ。
ヨハンはふっと目を眇めると、優しくも低い声で囁いた。
「つらかったら言ってください」
「……あ……!」
ヨハンの長い指が、精の滑りを借りながら沈みこんでくる。浅いところで抜き差しを繰り返し、少しずつ慣らそうとしてくれているのだとわかった。
「ん、んんっ……!」
誰とも繋がったことなどなく、当然男を知らないキリエの後孔は狭く、ヨハンの指を押し出そうと蠢く。
それでもヨハンの指は内壁を優しく撫でて中を拡げながら、少しずつ奥へと入ってきた。
「あ……ああっ、く……んっ……!」
「苦しいですか?」
浅く早い呼吸を繰り返すキリエの様子に、ヨハンは手を止め訊ねた。
「ううん……ただ、変な感じがして……」
「力を抜いていてください。息を止めないで……」
促されるまま、キリエは目を閉じてゆっくりと呼吸をする。身体の力が抜ける間合いを見計らってヨハンは指を動かし、狭隘な蕾を解していった。
「んっ……あ、ぁ、ん……!」
溢れる喘鳴は少しずつ甘さを纏い、自身ですら知らない官能的な響きを持ち始めていた。徐々に慣れて蕩けてきた後孔に、ヨハンは二本目の指を挿入する。
倍加した圧迫感にキリエは息を詰める。しかし呼吸は止めずに、身体から力を抜くことを意識して受け入れていく。
「そう……とても上手です」
ヨハンが褒めてくれて、このやり方で合っているのだと安堵する。このまま続けていれば、ヨハンと繋がれる……そう思うと嬉しくなった。
ヨハンと出逢って、自身の中に燻っていた欲望を初めて思い知った。同時に、神子と騎士という関係でありながら一線を越えてしまったことと、唯一愛した男を道連れにしてしまうことへの罪悪感も。
「んんっ……あ、あぁっ……!」
思いに耽っているうちについに三本目の指が入ってきた。最初ほどの抵抗感は既になく、従順に吸いつく肉襞は完全にヨハンの指を受け入れていた。
ヨハンは三本の指を中でばらばらに動かし、抜き差しを繰り返した。キリエは小刻みに身体を震わせ、切れ切れにか細い声を上げた。
「や……あっ、そん、な……あ、あっ……!」
戸惑いと愉悦が混じり合った声を上げながら、キリエは再び追い詰められていく感覚があった。また果ててしまう……そんなキリエの懸念も知らないまま、ヨハンは中を探りながら指を動かしていく。
ヨハンの指先がある一点に触れた瞬間、ぞくぞくとした何かが一気に駆け上がってきた。それが快感だと気づいたときには、キリエは抑えきれずに声を上げていた。
「あ、あっ、く……んっ、あ、ぁ、あ……!」
「ここ、ですね」
身体を波打たせ、ヨハンの手から逃れるように腰をくねらせるが、膂力でも体格でも敵うはずがなくあっさりと抑え込まれた。ヨハンは得たりとばかりにそこを集中的に責め立て、キリエを翻弄した。
痺れるような快感が指先まで走り、出口を求めて渦を巻く。二度目の極みがすぐそこまで迫ってきているのを感じていた。
「い、や……また、でちゃ……」
「我慢せず、出していいですよ」
ヨハンが吐精を促してくるが、キリエは左右に首を振る。キリエが求めているのは、ただ果てることではない。
「ヨハンと、一緒がいい……繋がりたい……」
「……!」
そう伝えた瞬間ヨハンは息を呑み、水色の瞳を大きく見開いていた。
「…………」
沈黙が降りたのち、後孔からヨハンの指が引き抜かれた。
キリエの脚に絡んでいた脚衣が抜き取られ、割られた細い脚の間にヨハンが割って入る。ヨハンが自らの脚衣を解き、下ろす。
彼の一連の所作を見つめながら、キリエは熱っぽい溜息を繰り返していた。
ヨハンがキリエの上にのしかかる体勢を取り、二人の身体が重なり合う。色めいた気配を纏った水色の瞳に見つめられながら、最後に問われた。
「本当に、よろしいのですね?」
ヨハンの長い指が髪に絡められ、涙の痕を拭われた。
キリエは頷き、小さく呟いた。
「早く……ヨハンが、欲しい……」
脚を広げさせられ、指の蹂躙を受けていた後孔に熱いものが触れた。
沈み込み、拡げられていく感覚に、キリエは慄いた。
「んっ……、く、あ、ああぁっ……!」
初めて受け入れる男の欲望に、キリエは悲鳴ともつかぬ声を上げ、身体を仰け反らせる。肉筒はこのときを待ち焦がれていたかのようにヨハンに吸いつき、奥へ奥へと誘う。
入念に解された甲斐あってか、挿入は驚くほどに滑らかだった。キリエも痛みはあまり感じてておらず、未知の感覚に震えながらも懸命にヨハンを受け入れる。
「あ……んっ、く……あ、ああっ……!」
「もう少しです……そう……」
キリエの呼吸に合わせてヨハンは腰を進めてくる。時折形を馴染ませるように止まり、落ち着いた頃合いを見て深いところへ入ることを繰り返す。
時間をかけて繋がっていき、やがて互いの下肢が触れ合い、ヨハンは大きく胸を喘がせているキリエを見つめた。
「……全部、入りましたよ」
そう言われて、キリエはようやく後ろを満たすものの存在をはっきりと知覚した。指とは比べものにならない質量と熱を持ったそれはまるで生き物のようで、キリエの中で脈を打っているのがわかる。
キリエが慣れない圧迫感にまだ声を出せないでいると、ヨハンはキリエの薄い腹のあたりをそっと撫でた。
「ここに私がいるのが、わかりますか?」
受け入れたものはヨハンそのものなのだと、そう言われてキリエは得心した。
キリエの中に愛する男がいる。だからこんなにも幸福な気持ちなのだ、と。
「……うん、わかる……嬉しい……」
これが、最初で最後の交わり。二度目は絶対にこない。
そう思うと心が軋む。でも、それ以上に胸を満たすのは幸福だった。
キリエは両手を持ち上げ、ヨハンの首に絡めた。
「ねえ、ヨハン……僕、幸せだよ」
「キリエ……」
「本当に……このまま死んでもいいくらい」
やめてください、とヨハンの瞳が切実に訴えてくるのがわかる。ヨハンは口数こそ多くないはずなのに、瞳は驚くほどに雄弁だった。──彼のこういうところを、好きになったのだが。
それでもキリエは言葉を止めない。こうして繋がれるのは最初で最後なのだ。この機を逃して、後悔しながら死にたくない。
「ねえ……もう一つだけ、お願いがあるんだ……。聞いてくれる?」
「……なんですか?」
優しいヨハンはきっと逆らわないであろうことを知っていながら、キリエは訊ねる。短い応えの中にヨハンの激情の片鱗を感じて胸が痛くなる。
キリエは今まで見せた中で一番綺麗に映るように、ヨハンに微笑んだ。
「今だけでいいから……僕を恋人と思ってほしい」
そう伝えると、ヨハンは少し苦しそうな顔をした。キリエがいなくなってもこの先続いていくヨハンの人生に、この夜の記憶は影を落とし続けるだろう。これはあくまでも、キリエのは独り善がりな我儘だ。
でも、神子と騎士ではなく、一人の人間としてヨハンと抱き合いたい。できることなら、恋人として。
今まで生きてきた中で、これほど満ち足りたことはないのだから。
「好き……」
その言葉が無意識に口を突いて出る。溢れる想いが止まらない。
「好き……大好き……」
幸せなはずなのに、涙が溢れてくる。紡ぐ言葉も涙に濡れてしまう。
言葉数の決して多くはないヨハンの唇が、キリエの目尻に、頬に寄せられる。涙を吸ってくれるその唇は、切なく震えていた。
「愛してる……ヨハン……」
神子として禁忌の言葉を口にしたキリエの唇をヨハンの唇が塞ぐ。このまま離れたくなくて舌を差し出すと、瞬く間に絡め取られた。
口づけに耽っていると、繋がったヨハンの腰がキリエの中で動き始めた。最初はゆっくりと揺らし、少しずつ深さと速度を上げていく。
「ん……あ、ん……あぁ……っ」
中を行き来するヨハンの熱を感じながら、これが交わるということかとキリエは思う。内壁が擦れるたびに叫びたくなるような快感が生まれ、その度合いは徐々に強くなっていく。
ヨハンのものは中で少しずつ大きくなっていき、やがて指では届かなかった奥の方まで突いてくるようになっていた。叶う限り深く繋がり合いたくて、キリエは自ら腰を揺らして乞うた。
「もっと……奥に……」
恥じらいもなく強請れば、ヨハンはすぐに聞き入れてくれた。一際強く腰を押しつけられ、そのまま深いところで上下に小刻みに揺さぶられる。身体の奥底を暴かれる感覚にキリエは戦慄した。
「あ……あああっ……!」
びくびくと身体が跳ね、痺れるような快感が脳髄まで響いてくる。ヨハンは何度も奥を突き続けてキリエを翻弄した。
「あっ……ふか……深、いっ……!」
これ以上は無理だと思うのに、ヨハンは更に奥へと入ってくる。開かされた脚を肩に担ぎ上げられ、自重を乗せて沈み込んでくる。まさに下からヨハンに貫かれた状態になったキリエだったが、それすらも愉悦だった。
「……貴方だけです、キリエ」
快楽に堕ちかけたキリエの思惟を、静かなヨハンの声が引き戻した。
甘くなった焦点を懸命に結ぶと、悲しくも優しく微笑んだ表情のヨハンと視線が絡んだ。
「今だけでなくこの先もずっと、私が身も心を捧げるのは……私の恋人は、貴方だけです」
「え……?」
神が死の直前に見せる、幸福な幻かと疑う。でも、重なる体温も、互いに繋がった身体も、何もかもが本物だった。
信じられないとでも言いたげな表情をしていたのだろう。ヨハンは唇を寄せながら、はっきりとその言葉を紡いだ。
「何度でも言います……貴方を愛しています、キリエ」
「……っ」
引かれ合うように再び唇が重なり、何度も何度も貪り合った。その間ヨハンの腰の動きもいよいよ激しくなり、キリエは上下の刺激に翻弄された。
「ん、ああっ、く……ぁ、ああ……っ」
喜悦と悲嘆とが混ざり合い、嬌声も涙も止められない。
こんなにも好きなのに、想い合っているのに、こうして抱き合えるのはこれが最初で最後と思うと一気に虚しさが押し寄せる。それでもキリエはこの愛する男を求めずにはいられない。
「あっ……、あぁっ……そこ……」
キリエが顕著な反応を示すところをヨハンは的確に責め立てる。抜き差しはいつしか水音を纏い、それが二人の交わりをより滑らかなものにしていた。
当初感じていた不安も痛みもとうに消え、今やヨハンとの交わりはひたすら幸福と悦楽に満ちていた。
「あ……んっ……あ、あっ……あ……!」
極みが近づいてきていること予感し、終わりたくない、ずっとこうしていたいという切望がよぎる。その反面、二人で迎える絶頂が待ち遠しくもあり、キリエの心は切なく乱れた。
「や、あっ……、も……もう……っ」
「限界ですか?」
訊ねてくるヨハンに頷くと、中を掻き回すように腰を動かされた。ヨハンは追い詰めようとしているのだとキリエは悟る。
「一緒に達きましょう」
「っ、や……っ!」
終わりたくなくて、つい甘えた声を上げてしまう。ヨハンの首に回した手に縋るように力を込めると、泣き言を封じるかのようにまた唇を塞がれた。
「あ、んっ……く……あ、あぁ……っ」
唇と舌を絡め合いながら強く腰が送られてくる。与えられる快美と押し寄せる喪失感に咽びながら、キリエは喘ぎ続けた。
らしくもなく叩きつけるような腰の動きと荒い息遣いを繰り返すヨハンに、キリエは彼も同じ想いでいてくれていることを感じ取った。
でも、もう、その時は確実に迫っている。
「ひ……あっ、く……、あ、ああっ……!」
一際強く奥を穿たれ、喉から悲鳴のような高い声が漏れた。
思惟が、意識が、かつて知らないところへと連れていかれる。脳裏が白く染まったその瞬間、キリエの中で熱が弾け、キリエもまた喘鳴と共に果てていた。
「……っ……!」
どくどくと熱を注ぎ込まれながら、キリエは襲いくる官能の波に身体を震わせていた。待ち焦がれた絶頂は長く尾を引き、快楽に不慣れなキリエを苛んだ。
「キリエ……」
ヨハンの指が涙の痕に触れる。情交の最中に何度も泣いて、きっと酷い顔をしているに違いないのに、ヨハンの指はどこまでも優しかった。
官能の余韻が冷めていくと同時に、心は喪失感でいっぱいになった。終わってしまったのだ、と。
「キリエ……」
もう一度名を呼んで、ヨハンは額に唇を落とす。そこから腫れた瞼、赤くなった目尻、そして唇に。
ヨハンもまた離れることを惜しんでいる。それが伝わってきて、また涙が出た。叶うことなら、このまま一つに溶け合ってしまいたいと願いながら、厭かず唇と舌を交わし続ける。
しかし、そんな願いは叶うはずもなく、身じろぐ中で下肢の繋がりは解けた。中にヨハンの種だけを残して。
「愛してる、ヨハン……」
「私もです。愛しています、キリエ」
これが、本当に最後。
尽きぬ思いを唇に載せて、二人は最後の口づけを交わした。
◇
翌朝、目を覚ましたキリエは、軋む身体を叱咤しながら身支度を整えていた。
昨夜の情交のあと、ヨハンはキリエの身体を綺麗に拭ってから宿舎へと戻っていった。ヨハンを見送ってからは寂しさでまた涙が出てきて、寝台の上で泣きじゃくりながら殆ど気を失うように眠りに落ちた。
しかし、今朝目を覚ましてみれば、不思議と心は軽くなっていた。削られた命が戻るはずもなく、相変わらず体温も低いままだが、気分はどこか晴れやかだった。
「未練がなくなった……からかな」
そう一人ごちて、キリエは苦笑する。
この先どんなに苦しいことが待ち受けていても、きっと受け入れられる。その行く末が死の運命だとしても、ヨハンとの思い出があれば大丈夫だと思えた。
覚悟はできている。この宿命を、甘んじて受け止める。滅多に見ない手鏡越しに自身の姿を見つめて、キリエは決然と頷いた、そのときだった。
『神子、起きていますか?』
扉の向こうに、聞き慣れた優美な声。クレドだ。
「はい、起きています」
鏡を片付けながら応えると扉が開いた。今日も若く美しい大司教は貼りつけたような笑みを浮かべて入ってくると、後ろ手に扉を閉め、閂を掛けた。──この行動で、クレドの来訪の意図は自ずと察しがつく。
「身体の具合は如何ですか?」
「おかげさまで、大分よくなりました」
「無理は禁物ですよ。当面の間は王家からの依頼も、典礼での癒しも断りますから、暫くは療養に専念なさい」
言いながらクレドは懐を探り、鞘に収まった短剣を取り出した。
やはり、とキリエは一人納得する。だが、抗っても仕方がない。
「早く済ませますから、終わったら今日も一日ゆっくり休みなさい」
短剣を鞘から抜きながら、クレドはうっそりと微笑む。その笑み聖人どころか、さながら死神のようだとキリエは思った。
首筋に据えられようとした短剣を、キリエは「待ってください」と遮った。その途端にクレドの眼差しに険が宿る。
「その……今日は背中でもいいですか」
「なぜです?」
「……昨日、ヨハンに心配されてしまったんです。できれば見えないところにお願いします」
首筋に残る傷痕を示しながら言うと、クレドは「仕方ないですね」と渋々承諾した。
クレドに背を向けて、自ら祭服を緩めて背中を晒す。身体に残る傷痕一つ一つに優しく口づけてくれたヨハンを思い出すだけで、ほんのりと胸の奥が暖かくなった。
「……っ……!」
右の肩甲骨の下あたりに、強く刃を突き立てられた。いつものように膚を裂くのではなく、抉られる痛みに息が詰まる。クレドはよほど血に飢えているようだ。
短剣が抜かれると、すぐさまその傷口をクレドの舌と唇が蹂躙する。神子の力で傷が塞がるまでの間、一雫でも多く血を啜るために。
早くこの時が過ぎてほしい。キリエはそう願いながら瞑目し、痛みと屈辱に耐える。しかし、何か様子がおかしいことに気づいたのはすぐのことだった。
「……ない……」
背中越しに、クレドが低く呟いたのが聞こえた。
キリエは軽く首を動かして背後を見遣ると、愕然とした表情で傷を見つめるクレドの姿があった。
「クレド様……?」
「血に力がない……傷が塞がらない……」
クレドのその言葉に、まさかと思いキリエは左手で自らの右肩の後ろに触れる。そうして見つめた自身の左手の指には、真っ赤な血がべったりと付着していた。
傷が治らない。いったいどうして?
疑問と困惑が一気に押し寄せてきたそのとき、キリエはクレドに肩を掴まれ、そのまま床に叩きつけられた。
「貴様、さてはあの聖堂騎士と通じたな!?」
痛みと衝撃で身動きを取れずにいると、たちまち怒号が降ってきた。答える間もなく髪を掴み上げられ、苦しさに喘鳴が漏れた。
「答えろ。あの聖堂騎士に抱かれたのか!?」
痛みと苦しさで返答がままならない。だがキリエが答えないことを、クレドは肯定と捉えたらしい。
「この淫乱が!」
激しい罵倒の声と共に、再び床に叩きつけられた。今度は派手に頭を打ち、意識が霞んだ。
『神子様、如何なされましたか!』
『神子様!』
扉の向こうから、複数人の足音と声が聞こえた。おそらく聖堂騎士団だ。怒号と物音を聞いて駆けつけてきたのだろう。
「ちっ」
床に倒れて動けないまま、キリエはクレドが舌打ちするのを聞いた。これが、この大司教の本性なのだと悟る。
『キリエ! キリエ! 返事をしてください!』
扉を叩く音と共に聞こえる声。キリエの名を呼ぶ聖堂騎士は、一人しかいない。
「……っ……!」
返事をしようとした瞬間、クレドに口を押さえられた。
腰を低くし、キリエの顔を覗き込みながら、クレドは冷たく言い放った。
「一緒に来てもらう。最後まで私のために働いてもらいますよ、神子」
首筋に据えられたクレドの指が強く沈む。その瞬間、キリエの視界は黒く染まった。
意識が闇に落ちる寸前、遠くに自分の名を呼ぶ愛しい声が聞こえた気がした。
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