第2章 第4話「守るために撃つ」



銃声が森の空気を裂く。

互いのACが激しくぶつかり合い、爆炎が夜空を焦がす。


「くそっ、敵の数が多い……でも、下がるわけにはいかない!」

綾杜は冷静に狙いを定め、ライフルの引き金を引く。


一撃で敵ACの肩部センサーが破壊され、敵の視界を奪った。


「ナイスショット!」

総士の声が通信を通じて響く。


「敵は連携取れてねぇ。隙は必ずある!」


一方、SYLPHID‐04の大橋裕太は、電子妨害を最大限に駆使しながら敵の指揮系統をかく乱。


「よし、通信ジャック完了! こっちの動き、ぜんぜん読めてねぇぜ!」


敵の五機の中、リーダー格と思われる中量級AC“FURAKAWA‐MODEL”が執拗に裕太を狙う。


「こいつ、しつこすぎる!」


激しい追撃をかわしつつ、裕太はジャミング弾をばら撒いて反撃。


「くらえっ!」


しかし、敵もただの模擬戦闘ではなかった。実弾も混ざり、確かな殺気を帯びていた。


「守るために撃つ……これが現実だ」


総士は冷静に指示を続ける。


「綾杜、前衛の援護に回れ。こっちは敵の前衛を分断する」


「了解。みんな、死ぬなよ」


通信が途切れそうな緊迫の中、仲間たちの絆が逆に強まっていく。


「俺たち、負けられないんだ。ZAINが戻るまでは、俺たちだけで戦う」


戦場の叫びは、世界に届くことはない。

だが、彼らの決意は確かだった。



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