第八章:誠実の民政

王に導かれ、城に集った民の列は、日の光を受け、静かに光っていました。


彼らは、誰もが王の言葉に応えた者――

「王が裸に見える」と、真実を口にした者たちでした。


王は玉座には座らず、彼らと同じ高さに立ち、まっすぐに語りかけました。


「そなたたちに問いたい。今、どのような暮らしをしているか。

 そして、もしもそれを捨ててでも、この国を変える一助となる覚悟があるなら――

 私はその力を借りたい」


一人ひとりに目を向け、耳を傾ける王。


ある者は農夫、ある者は薬草を採る者、

読み書きができるが貧しさから職に就けなかった若者もいました。


「ならば、耕作地の再整備に加わってくれ」

「医薬の知識があるなら、国の医務に仕えてほしい」

「文字を読み、書けるのなら、記録の整理を頼みたい」


王は、民の声を聞き、働きぶりを見ながら、

ひとりひとりに役目を与えて行きました。


学がなくとも、汗と誠実さを惜しまぬ者にこそ、

ふさわしい務めがある、と知っていたのです。


王は、学びたいという意志を持つ者にも役目を与え、

必要に応じ老従者が指南役を担いました。


王を騙そうとしていた詐欺師たちも、

王宮に仕える服職人として、召し抱えられました。



誠実さと真心――それだけが、この国の新しい人事の基準だったのです。




続く~第九章(最終章)へ~

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