第6話

「美咲、ごめん……」

「謝らないでよ」


わかってた。


私の願い事は、佑耶にとって迷惑な事だって。


迷惑でしかないんだって。


だからずっと、佑耶にばれないように、悟られないように、可能な限り文章を暈して書いていたのに。


ずっと、ずっと、ばれずにきたのに。


去年の七夕。


佑耶の短冊を見たとき、私は驚愕した。


見なければ良かったって、本気で思った。


中学校の中庭に立て掛けられた笹に掛けられた全校生徒の短冊の中から佑耶のそれを探し出さなければ良かったって。


いつも笹に掛ける前に互いの短冊を見せ合いっこしてたのに、初めて見せたくないと言われたことで躍起になって探したのが馬鹿だったんだ。


見せたくないと言われたのだから、見なければ良かったんだ。


だけど、私だって思ってもみなかったんだ。


“美咲の願いが叶いませんように”なんて書いてあるとは、夢にも思っていなかった。

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