第2話花嫁修行しましたから(ドヤッ!)

「それにしても、将暉お兄ちゃん部屋汚いですね」


「うぐっ!」


日和ちゃんは俺の部屋の洋服が脱ぎ散らかしたり、コンビニ弁当の残骸や酒の飲んだ後の空き缶を転がっているのを見て溜息を吐くように呟く。


正直、仕事で疲れて家事や一個もやってなかったので日和ちゃんに文句を言われても言い返すことが出来ずに呻く事しかできない。


「はあー将暉お兄ちゃんはしょうがないなまずはご飯の前に部屋を軽く片付けましょう!」


「えー後からでもよくないか?」


「いや、こんな汚い部屋でご飯食べたら病気になっちゃいます!」


「はい!片付けますよ!」


「わかったよ」


日和ちゃんは落ちている服を全部拾い上げて洗濯機に全てぶち込む。


「うわー将暉お兄ちゃん、見事にコンビニ弁当ばかりじゃないですか」


「いやー作る余裕がなくてな」


「はあー健康に悪いです。こんなものばかり食べていたら絶対いつか体壊します。私が来たからにはこんな狼藉二度許しません」


テーブルに山のように放置されているコンビニ弁当の残骸も手分けしてゴミ袋に入れていく。少しするとやっと全部ゴミ袋に全て捨てて久しぶりに綺麗な状態のテーブルを拝見することが出来た。


「うわ!?お酒もこんなに飲んで腎臓に悪いです!!」


「いやー最近は酒を飲まないと寝れなくてな」


「そ、それは大丈夫なんですか!?」


日和ちゃんはいきなり詰め寄ってきて目と鼻の先まで近づいてくる。日和ちゃんの丹精な顔立ちが目の前にいきなり現れたので思わず目を逸らしてしまう。


「大丈夫じゃないですか?!」


「いや、大丈夫だから、ただストレスで酒飲んでただけだし、後顔近い」


「!?すみません!今度からストレスでお酒に走らないように私が癒しますから!」


日和ちゃんは何かを決意した顔でそう宣言した。


「じゃあ、そらそろ手を動かしましょうか」


「おう」


床に山積みにされたビール缶をゴミ袋に全て入れていく。


「ふうーまあまあ片付きましたね」


「ああー先とはめっちゃ見違えた」


まだ完全に部屋が片付いたわけじゃないけど、軽く片付けた分。先程みたいに足の踏み場もないような状態ではなく。普通に生活出来るような感じにはなっている。


「時間的に一旦ご飯はしましょうか」


レジ袋から唐揚げ弁当を取って綺麗になったテーブルの上に置くと日和ちゃんが怒った顔で俺を見上げる。


「それは没収です!」


「ああ〜」


俺は情けない声を上げて日和ちゃんに今日の仕事帰りに買った唐揚げ弁当とお酒を没収される。


「じゃあ、俺は何を食べれば」


「この為に私がいます。今から早めに作るのでソファで寛いでてください」


俺がソファから日和ちゃんの料理を作る姿を見る限り何もかもが俺の料理スキルより上だ。少なくとも2年間は一人暮らしで社会人してたのに料理がほぼ作れないのを考えると俺は2年間何をやっていたんだと悲しくなってくる。


「日和ちゃん、めっちゃ手際いいね」


「ふふっ、将暉お兄ちゃんのお嫁さんになりたくて花嫁修行めっちゃ家で頑張りましたから」


「そ、そうなんだ〜」


改めて面と向かってそういうこと言われると照れる。


「将暉お兄ちゃん、出来ましたよ」


「おーめっちゃ楽しみ!」


「まあー楽しみにしててください」


部屋内にカレーの匂いが漂っている。日和ちゃんはカレーを作ったようだ。


米も早炊きで丁度カレーが出来上がったくらいに炊けたのでそれぞれの皿に米とカレーを装ってテーブルにつく。


「「いただきます」」


「美味しい!」


久しぶりに人に作ってもらったものを食べたので泣きそうである。やっぱり子供の頃は当たり前だったけど毎日料理作ってくれている母親は神だったんだなと実感する。


「よかったです。あー悔しいです。今回は時間がなかったので市販のルーで作りましたが本当ならスパイスを何種類か混ぜてから本格的作るのでもっと美味しいの作れました」


日和ちゃんは悔しそうな表情をしている。このカレーを充分美味しいと思うのだが、日和ちゃんは本格的にスパイスから作れるらしい。どんだけ料理スキル高いんだよと感心してしまう。


その後、カレーが美味しくて三杯くらいおかわりしてお腹いっぱいになった。


「ごちそうさまでした」


「お粗末さまです」


「ふうーめっちゃ食べた」


「ふふっ、こんなに食べてくれると作り側としても作った甲斐があります」


「皿は流しに置いておいてください。洗うので」


「いやー流石に作ってもらったのに皿洗いまでさせるのは忍びないよ」


「いえ、将暉お兄ちゃんは仕事で疲れてると思うのでゆっくりしててください。それにこれもお嫁さんの仕事ですから」


日和ちゃんがここまで言ってくれてるからその言葉に甘えることにする。


「なんかありがとう」


「夫を支えるのも妻の役目です!」


まだ、いきなりお嫁さんとかは戸惑っている部分もあるけど、少なくとも日和ちゃんはいいパートナーになりそうだなと思った。



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後、『帰り道で襲われてる美少女を助けたら学生生活から平穏が消えた』と『女の子を助けたら片目を失ったが激重感情を向けられている』も連載しています。是非全ての作品の応援をお願いします。

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ダンボールで嫁が送られてきた〔不定期更新〕 池田 春 @IKeDa1346

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