【コラボ】御手洗弥生&タニア
さあ、始まりました質問企画! 今回は私アリーシアが司会進行を務めさせていただきますね!
と言っても、この仕事ギルド経由じゃないみたいで、お給金は誰が支払ってくれるのか不明なんですよね……。
忍忍とかいう怪しい人物に請求しておけばいいんでしょうか。
ま、今は目の前のことに集中しましょう。
では、早速今回の主役のお二人に登場していただきましょう! まずは『めぐる季節は呪詛の味〜パティスリーシノノメの事件録』からお越しいただきました、御手洗弥生さんですぅ!
「は、はいっ! よろしくお願いしますっ」
ふふ、緊張されていますか?
「い、いいえ、だ、大丈夫……です、はい」
うーん、全く大丈夫じゃなさそうですね。
初めまして、私はアリーシアと申します。
本日は、この企画が終わるまで誰も帰すなと仰せ使っております故、覚悟を決めてくださいっ!
「……え?」
おっと、口が滑っちゃいました。
何でもないですよ?
楽しくいきましょう!
さて、もう一人の紹介もサクッと進めましょうか。
我らが『RE:SELECT』から、タニアさんでーす!
「お久しぶりです、アリーさん! 御手洗さんも、よろしくお願いします」
「はぅあ! 美女が二人! 絶対私じゃなくて……あの人たちの方がよかったじゃん……」
何やら、弥生さんが絶望しているようですが、ブツブツと自分の世界に入ってしまっているようなので、彼女には早々にこちらに戻ってきてもらうことにしましょう。
−−−−−−パァン
「……ひっ!」
さぁ! 始まります!
【コラボ質問企画】ーっ!
詳しい説明は、第一回でされていますし、問題ないでしょう。
弥生さんがこれ以上混乱する前に、サクッと始めちゃいましょう!
一つ目の質問でーす。
【自分はこういう人物です! を一言で言うと?】
「……」
「……」
はい、こうなると思っていました。
タニアさんも自分が前に! って子ではありませんからね。
ここは司会として、うまく回さなければなりませんね。
では、御手洗弥生さんからお願いできますか?
「えっ……とぉ、モブキャラ……ですかね。あ、モブっていうのは、まあ……その他大勢みたいな意味なんですけど……あのこれ、本当に私でいいんですか……? 博臣さんとか音羽さんの方が……なんというか、主人公! って感じ出てると思うんですけど……」
『もぶきゃら』という言葉は初めて聞きましたが、なるほど手強いですね。
チェルミーさんを彷彿とさせる自信の無さですね……
ちなみに、弥生さん。
土門博臣さんも音羽さんも、第一回に出演されているみたいです。
なかなか好評だったようですよ?
「もうヤダ……本当に帰りたくなってきた」
おやおや、また良くないことを言ってしまったようです。
タニアさん、すみませんが……助けてくれませんか?
「私ですか? 質問に答えればいいんですよね? 初めまして弥生さん、タニアと言います。冒険者と言っていいのか微妙なところなんですけど、一応いろんな国に行って旅をしてます。あ、質問ですよね。私を一言で言うと……負けず嫌いですかね。えへへ、恥ずかしいですけど、本当に負けるのが嫌いなんです。特に横にいつも張り合ってくる馬鹿な幼馴染がいますから」
はい、ありがとうございます。
レヴィさんのことですね。
確かに、私から見てもお二人はいい相棒って感じですよね!
弥生さん?
口が開いてますが、どうしました?
「……ここにも、主人公みたいに輝いている子が!」
うん、では次にいきましょうか。
【自分の長所と短所を一つずつお願いします】
次はタニアさんから答えてもらいましょうか。
「はい、わかりました。長所と短所……自分のことを分析するのって難しいですよね。長所は器用なところですかね……戦闘ではレヴィやチェルミーとの連携の要を担ってますし、大体のことはイメージ通りに身体を動かせます。……短所は、悔しいですけど、火力面ですね。レヴィに比べて、どうしても魔法の威力は劣ってしまいますね。もちろん、それを補う術はいくつか持っていますし、レヴィには負けませんけど……たまにレヴィの豪快な魔法が羨ましくなることは……あります」
ありがとうございます。
こう言っては何ですが、タニアさんはレヴィさんのこと大好きですねぇ。
「な、何言ってるんですか! アリーさんっ! 茶化さないでくださいよ!」
真っ赤になって、ふふふ。
ちなみに、匿名でタレコミが来てますよ。
『タニアは本当に朝に弱い! 何回起こしても起きないし、起きたと思ったらまた寝てるし。チェルミーがどれだけ苦労して毎朝起こしてるか……あ、ごめん。チェルミーの名前出しちゃった。ま、まあとにかく! タニアはどうせ自覚してないだろうけど! タニアの弱点は朝だからなー……やべっ、もうすぐタニアが帰ってくる、チェルミー! 片付けろ片付けろ! バレたら絶対怒られる!』
……だそうですよ?
「あの馬鹿……帰ったら覚えときなさいよ」
あ、弥生さん大丈夫ですよー。
これは、多分パーティ内の問題なので、八つ当たりの可能性は低いかと……
しかし、タニアさんの怒りの矛先がこちらに向く前に、弥生さんに答えてもらっちゃいましょう。
「えっとぉ、短所はいくらでも思い付くんだけどなぁ……よく人の話、すっぽ抜けちゃうし……博臣さんにも、妄想してるの顔に出てるって言われるし……慌てちゃうとパニックになるし……そもそもこういうネガティブなところも短所だし……」
どうしましょう。
ちょっと面白くなってきちゃいましたね。
そういえば弥生さんについても情報が入っていますよ。
弥生さんは『幽霊』が見えるらしいですね?
「え? それが長所なわけなくないですか? 怖いし具合は悪くなるし怖いし、あと怖いです!」
怖いんですね……
「ふふ、幽霊はこっちにもいますけど。どんな見た目なのか気になりますね」
「うぅ……どうしよう、長所がマジで思い浮かばないんですけどー!」
弥生さん?
差し出がましいかと思いますが、私から見てもあなたの長所は、ちゃんとありますよ。
「……え?」
ね?
タニアさん?
「ええ、私も見つけました」
「うえぇ!? 何ですか急に! なんでそんなニヤニヤしてこっちを見てるんですか? ……あれ? なんかデジャブが……あ、音羽さんだ。音羽さんがたまに私を見て意地悪なことを考えてる時と同じ目だぁー!」
ふふふ、本当に素敵な長所をお持ちですよ。
では次の質問にいきましょうか。
「え、教えてくれないんですか?」
次の質問にいきましょうか。
「……はいぃ」
【なりたい自分の理想像はどんなものですか?】
これは、弥生さんからお願いできますか?
「はい……強くて優しくて、気遣いとか心配りとか、そういうのがちゃんとできる人になりたいです! 上辺だけじゃなくて、ちゃんと心から! ……はぁ、タニアさんも、なんか強さと優しさが、言葉や表情から滲み出てると思いますよ」
「何で私にまでかしこまった言葉遣いなんですか? 確か、私の方が全然年下でしたよね?」
試しに『タニアちゃん』って呼んでみますか?
「……いやいや! 年下だからって、ちゃん付けなんて畏れ多いですよ! こんな大人な雰囲気の人に向かって……」
「あはは、大人……ですか? 弥生さんにそう言ってもらえて嬉しいです」
「……ほら、見ました? アリーシアさんも見ましたよね? まさに大人の余裕がありましたよね!」
うふふ、弥生さんは面白いですね。
今のタニアさんの言葉は、本心だと思いますよ?
「そうですよ? 本当に嬉しかったです。私の理想はママみたいな大人になることだったので! ママも冒険者をやってたらしいんですけど、引退して私のことを大切に育ててくれて……私も誰かを守れるくらい大きな器を持った大人になりたいですね」
母親のような、なるほど。
タニアさんのお母様はきっと素晴らしい方だったのでしょうね。
「怒らせると、すごく怖いんですけどね」
はい、想像できますよ?
「……どう言う意味でしょうか?」
「アリーシアさんっ! 次! 次行きましょ!」
いけませんね。
久しぶりの出番ということで、少々ふざけ過ぎましたね。
すっごいこちらを睨んでくるタニアさんは、放置して、次の質問です!
【憧れの人とはどんな人ですか? そしてその方の名前は?】
「あー私から答えちゃおっかなー。今なんだかすごく答えたい気分ですっ」
弥生さん?
まあ、問題ありませんよ。
「もぅ……アリーシアさんのせいでタニアさんが怒ってるのに……。えっと憧れの人かぁ……迷うなぁ。候補は二人いるんですけど……うーん……まずは音羽さんかなぁ。同性だし、女性としても素敵なところばかりなので、見習いたいところたくさんあります! 博臣さんは、なんてったって、コミュ力お化けですからね! ……あー! ごめんなさいっ! 変な言い回しばかりで! 人と話すのがとても上手な人なんですよね。バーって話すだけじゃなくて、ちゃんと相手の表情とか雰囲気を見て、何を話すか何を話さないか、瞬時に決められちゃうんです。凄くないですか? もはや魔法だって思うんですよね」
音羽さんも博臣さんも、素敵な方なんですね。
弥生さんの話で、どれだけ魅力をお持ちなのか、よく伝わってきました。
タニアさんはどうですか?
憧れの方、いますか?
「うーん、憧れ……。誰だろう? 私の戦い方の先にいる人って思い浮かべた時に、思い浮かぶのはルルさんなんですけど、ちょっと参考にしていいのか怪しい部分が多くて……、そういう意味ではクロさんの方が憧れと言っていいかも。いつも姿勢正しくて、凛としてるし、何より強いんです。あまり見たことはないですけど、魔法を使った戦いでも、あの人めちゃくちゃ強そうなんですよね」
クロさん……クロノスさんですね。
私はお会いしたことはありませんが、何やら重要な役回りとお伺いしております。
では、このまま次の質問です。
【その憧れの方に追いつくために努力していることはありますか?】
「じゃあ、これも私から答えますっ! まず見た目ってことで、最近はメイクとかファッション……あとは……お化粧とか身だしなみとか、前より気をつけるようになりましたね。音羽さんにも教えてもらってますけど、やり方がわかってきたら、結構楽しいというか……楽しめるようになってきてるような気がします! 博臣さんのやってる、陰陽師の真似はできないですけど、幽霊とかから身を守る方法、時々教えてくれるので、それは全部実践してますっ! えーっと、まず部屋を綺麗にするとか、トイレ掃除は毎日やるとか……あ、あと! よく笑うこと! これで大抵のやつは寄り付かないそうです!」
お化粧……タニアさんどう思います?
「ええ、確かに弥生さんのお肌、とてもハリがあって綺麗だなって思ってたところなんですよ。アリーさんこれは大変なことなんじゃないですか?」
ええ、これは見過ごせませんね。
「え、え? え? なんでにじり寄ってくるんですか? タニアさん? アリーシアさん? どうして何も言ってくれないんですか? 怖い怖い怖い! 目が! 特に目がぁ!」
おっと、これ以上は本当に怒られてしまいそうですね。
お化粧については、この企画が終わった後に、きっちり話していただくとして、えっと……あぁ、部屋の掃除やトイレの掃除を欠かさず行うというのは素晴らしいですね!
「アリーさん、まだ目が弥生さんの肌しか見てないようですけど……ふふっ」
ごほんっ、さあタニアさんも質問に答えてくれますか?
「はい、わかりました。私が努力していることっていうのは、少し恥ずかしいんだけど、以前修行をつけてもらった時に言ってもらったことを、継続してやることですね。あと、これは絶対レヴィには言わないで欲しいんですけど、レヴィの戦い方を常に意識して動きを真似たり、魔力の使い方を参考にしたり……あの子いつも無茶ばっかりするけど、私にはない発想で状況を変えたりしちゃうし、振り回されることばかりだけど、嫌じゃなくて……その私も結構楽しいっていうか……あ。と、とにかく! レヴィに負けないように相手を研究する時間は大事にしてますっ!」
「ほぇー……」
「や、弥生さん?」
「あ、いや……タニアさんって、本当にそのレヴィさんって方のこと大切なんだなって……。顔真っ赤にしてますけど、さっきは凄く楽しそうに話してましたし」
「……弥生さん」
「ふぁえ?」
「ふふふふふふふ」
「……あ、あははは」
「ふふふふふふふふ」
「あはは、ははは……グスッ」
涙目になっちゃいました。
タニアさん、あんまり意地悪しちゃダメですよ?
「……はい」
素直でよろしいっ!
では、気を取り直して次にいきましょうか。
【ストレスが限界に達した時の発散方法は何ですか?】
「では、今度は私から答えますね。私はひたすら体を動かしますね。レヴィやチェルミーに付き合ってもらって、修行に明け暮れることもあるし……村にいた頃は一人で山の中で暴れたりしとこともありました……ふふ、今は流石にそこまでのことはしないですけどね」
タニアさんにも、そういう瞬間があるんですね。
「ありますよぉ。悔しいことも腹立つことだってあります」
それはそうですよね。
弥生さんはどうですか?
「寝ること! 私はもうそれに全てを注ぎ込みますね。眠れなかったら、結構末期というか……。あ、あとは美味しいものを食べにいったり、博臣さんのお店でご褒美スイーツ買ったりしますね! それで大抵のことは乗り越えられますよ、うん」
ふふっ、弥生さんの可愛らしいところが見れましたね。
しかし、こちらにも甘味を売ってくれる店はたまに見かけますが、結構高価ですし、何より体重が……
「あ、見ますか? 写真ありますよ? 博臣さんが作ってくれたものばかりですけど、これとかこれはカロリーっていう身体が太っちゃう成分を抑えたスイーツなんですよ!」
「弥生さんって、もしかして……結構同じ失敗をしちゃうタイプですか?」
「な、何で急にそんな残酷なこと言うんですか! タニアさん……そんな憐れむような目で見ないで……」
「いや、だってほら、アリーさんがもう捕食者みたいな顔になってますよ?」
「ひょわーーーー! タ、タタタニアさん! 助けてくれますよね? お願いしますっ! ああ……アリーシアさんが……運営の方に連れてかれちゃいました……」
《しばらくして……》
すみません、取り乱しました。
ここからは、公私混同することなく、厳正に司会を務めさせていただきます。
「これはこれでやりにくいですよ、アリーさん……」
「そ、そうですよ! 何ともいえない罪悪感が……」
お構いなく。
私は、本日ここに仕事で来ておりますので。
では、次の質問に参りましょう。
【お互いに友人を一人紹介するとしたら、誰を紹介しますか?】
弥生さん、お願いいたします。
「うーん、やりずらいですよぉ……そうですねぇ、ここはあえて、幼馴染の剣ちゃんを連れていこうかな……あ、剣ちゃんって音楽をやってて、歌ってギターが弾けるんですよ! こんな感じで! きっとそちらの世界でも、こういうのが刺さる人いると思うんですよ、きっと! ハングリー精神というか……やってやるぜ俺は! みたいな音楽! あ、すみませんっ。語りすぎました」
いえ、大丈夫ですよ。
それに、先ほどの『むーびー』というのも非常に興味深いものでした。
音楽はこちらの世界にも広く浸透してますから、きっと心打たれる方は多くいるでしょうね。
では、タニアさんは誰を紹介しますか?
「……そうですね。私はルルさんですね。確か吸血鬼と竜人の両方の特性を持った方なんですが、何というか……想像以上に面倒見が良くて、何より常に何に対しても面倒くさがってて、基本的にはだらけきってるんですけど、やるべきことはやるし、仕事も早いし……なんか憎めなくて。私もそうなんですけどきっと弥生さんの周りにはいないタイプのヒトなので、新鮮で面白いと思いますよ?」
ルル……ルル……まさか七竜人の?
「あ、はい。今ちょうど一緒に行動してることが多いので……」
一体何に巻き込まれてるんですか?
あ、いえ……ここでする話ではなかったですね。
何にせよ、素敵な友人を得られたということは素晴らしいことです。
では、次にいきましょう。
【向こうではカエルム君と武揚君が対談していますが、それぞれの印象は?】
「えぇ! 武揚くんも行ってるんですか?」
一応、こちらの水晶から確認できますよ?
「うわ……はちゃめちゃですねぇ……武揚くん、最初はちょっとわだかまりがありましたけど、やっぱり憎めないですし。元気になってくれてよかったです。これからはちょっとずつ話してみたいですね。このお相手の……カエルムくん、でしたっけ? ふふっ意外と似た者同士なのかも。口は悪いけど……武揚くん結構ノリノリで煽ってるし……楽しそう」
タニアさんはどうですか?
「そうだなぁ、カエルムとはまだそこまで話せてないけど、あの子があんなにはしゃぐ姿は、確かに楽しそうです。初めて会った瞬間の印象は最悪でしたからね……口も態度も悪いし、レヴィに喧嘩売るし……でも、あの子なりの処世術なんだなって思えば、少しだけ寄り添えるかなって思いますね」
しかし、こうして見ると、カエルム君も武揚君も、ずっと喧嘩してますね。
あ、知ってますか?
喧嘩って、同じレヴェルの者同士でしか起きないらしいですよ?
「……」
「……」
さ、次です。
【お二人とも、お土産を持ってきていると伺いましたけど、何を持ってきたのでしょうか?】
「私からですね。弥生さんが喜んでくれるか自信はないんですけど、着物という服です」
「……えぇ!?」
「……?」
「あ、いえ……すみません」
「えっと、今一緒にいる仲間の方が、今日のことを話したら、特別に入手してくれたんですよ。大きさは気にしなくていいそうです。袖に手を通せば勝手に身体に合った規格になるそうです」
弥生さん、目がこぼれ落ちそうですよ?
「あ、いや……何でそっちの世界に着物が? え? あ、でもそういう展開ももしかしたらあり得るのかな? うーん、気になるけど、これ以上は踏み込んじゃダメな気もする……しかも、触れただけでわかるこの高級感! 音羽さんも好きそうですし……」
「もしかして、あまり気に入りませんでしたか?」
「いやいや! いやいや! いーや! めちゃくちゃ素敵ですよ! 私にこんないいものを贈ってくれるなんて……というかこれが似合うようになるまでに、さらに自分を磨かなくてはならないというか……とにかくすごく喜んでいると、御手洗弥生が申しておりますゆえ……何卒……」
「弥生さん?」
よほど、気に入ってくれたのかもしれませんね。
少し、弥生さんの言動に支障が生じていますが、本人が大丈夫と仰っていますし、このまま進行いたしますね。
「えっと、私はアクセサリー……えっと、ファンタジー風に言えば、装身具かな? 魔法メインで戦う女の子だってことしか聞いてなかったから、こんなもの用意してみたんですが……髪飾りですね。ヘアクリップって言って。長い髪をまとめるのに使うんです! 結構しっかり押さえてくれるから、動き回る人に重宝されてるんですよ!」
「可愛いです! これは花と葉っぱがモチーフなんですね?」
「はいっ! ミスミソウと言って白のこの花の花言葉は『自信』『信頼』って意味があるんです!」
「……」
「えっと、今日こうして会うまでタニアさんのこと知らなかったけど、これを選んだのは間違いなかったって思います!」
「……とても、嬉しいです。大切にします、絶対に」
お二人とも、素晴らしい贈り物でしたね。
では最後の質問です。
【次に会うのが、もし自分のいる世界だったとして、どんな場所に連れて行き、何をしたいですか?】
「えぇ? 来てくれるんですか!? そうだなぁ……私の住んでいる街、小樽って言うんですけど……ちょっと寂れてて、でもでも! 歴史があって、見どころたくさんあるんです! やっぱり運河は外せないし……倉庫群とかも見てほしいし……あ、蒸気機関車って知ってます? こういうのなんですけど、これが走っていた線路沿いにある遊歩道とかオススメだし……高いところが平気ならロープウェイに乗って天狗山もご案内したいです! うちからは音羽さんと博臣さんに、あと武揚くんも連れて行きますから、みんなで飲んだり食べたり、お話ししながら散歩したいですね! ってまた喋りすぎましたか私!?」
「いいえ、とても素敵な街にいらっしゃるということが伝わってきて、ぜひ行ってみたいと思いましたよ?」
「はぁう! またしてもタニアさんの方が、大人な対応を……」
そんなに落ち込まないでください。
事実、弥生さんのお話はとても魅力的でしたよ。
司会として聞いている私まで、行ってみたいと思いましたから。
「ふふふ、弥生さんって本当に面白いヒトですね。そうだなぁ、こっちの世界は弥生さんたちがいる世界に比べて、結構危険まみれだと思うんですよねぇ……となると……あ、あったかも。確か『RE:SELECT』の本編では出てきてないけど、私とレヴィとチェルミーでたまたま見つけた遺跡! 私たちは途中で断念しちゃったんですけど、そこには対幽霊特効の秘宝が眠っているそうです。持っているだけで、周囲の幽霊系の魔物を消滅させちゃうらしいです」
「なななな、何ですかそれ! ほ、欲しいけどぉ、危険なことすると音羽さんたちを悲しませちゃうし……」
「それなら、皆で行きましょうよ。私もこう見えて魔物には絶対的な魔力を持ってますからっ!」
「……もう、私タニアさんに勝てるとこ年齢くらいしかないのでは?」
ふふ、さて。
十個の質問が、これで終わりました。
どうでしたか?
「楽しかったです、はい」
「……私も弥生さんと同じで、楽しかったです」
【おまけにもう一つ。今日の対談を経て、お互いのいいところは何か見つけましたか?】
「弥生さんの良いところは、いつも周りのことをちゃんと見てくれていることですね。さっきも言ってくれたけど、私のこともアリーさんのことも、それにそちらの世界の仲間のことも、よく見て、よく知ろうとして、大切にしてくれるんですよ。その証拠に、弥生さんって誰かのことを話す時ほど饒舌になってますよ? 楽しそうによく笑うし、細かいところまでよく気づいてるなぁって感心しました」
「いや、もうそれを言うなら……タニアさんはもう……アニメからそのまま出てきたみたいな佇まいが素敵だし……もうそのままのタニアさんでいてほしいですね! アリーシアさんは……何というか、その……え、笑顔が素敵ですし、海千山千の冒険者たちをいなしてるというか、手玉に取っているというか……そんなのが伝わってきます! ……完璧なスマイルですよ! 私も一緒に働きた、働きたいなー……なんて……うわぁ! タニアさん! もう無理無理無理無理! 怖い怖い怖いーっ! 助けてぇ!」
おやおや。
どうして私から逃げるんですか?
私、途中からちゃんと司会進行しましたよね?
もう、企画も終わりということで良いんですよね?
先ほどのお化粧の話や甘味の話を聞いても問題ないんですよね?
弥生さん?
そちらに出口はありませんよ?
ふふふ。
ふふふふふふふ。
「びゃーーーーーーーーー!」
「……アリーさん、もう許してあげてくださいよ。弥生さん泣いちゃったじゃないですか」
はて?
私は、弥生さんをいじめているわけではありませんよ?
「うわーーーーー! 怖い怖い!」
−−−−−−ボフン
「弥生っ! 大丈夫ですか? ここは……前にも来たことがありますね……あなたがたが弥生を泣かせたんでしょうか?」
「……音羽さん?」
「もう大丈夫ですよ、私がいますから」
この方が音羽さんですか。
お強いですね。
私では、手も足も出ないでしょうね。
「え、なにこれ……アリーさんは落ち込み始めちゃったし、弥生さんは綺麗な人を召喚しちゃうし……はぁ、忍忍さーん! これどう収集つけるんですかぁ?」
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