連作短歌 Mementomori

久邇薫彦

Mementomori

いつか死ぬことも忘れて僕は笑う(不安恐怖後悔諦念)


デスルーラ残機の手数も分からずに容易く投げ出し冥土にワープ


タナトスが透視能力をくれたのでみんな死骸に見えています


「終末にどう過ごしたい?」「変わらない。いつも終末気分でいるから」


隧道トンネルを抜ければそこに楽園があるらしいじゃあ出口は何処どこに?


真夜中に思考を乱す死の亡霊触れぬ喋れぬ呪いをかける


帰り道いつも見えてる丘の墓地死もあれくらい静謐せいひつだったら


死に際の母の瞼で蝿が泣く襖を開ければあぁ夏が来た


優しげな祖父の遺影が死の象徴としてしか見えなくなる夏


僕だけは死なないんだと思ってたあの頃懐古し今日も臨死




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連作短歌 Mementomori 久邇薫彦 @KuniYukihiko127

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