第4話 博打狂いの女仙人
翌日、朝6時を過ぎた頃大きないびきの音で目が覚めた「‥‥
それはもう誰もが見惚れてしまうであろう絶世の美女と呼ばれた師父の仙人仲間が床で大の字で気持ち良さそうに寝ていた
いや、まってまってまって?
なんでこの人ここにいるの戸締まりはしっかりしたしなんなら協力な結界も張ってあるのだけども
そんなかんじで若干パニックになってきた時ようやく彼女は目を覚ました、、、
「よう八仙、久しいのう勝手に上がらせてもらったわい、あとこの酒美味じゃったぞわざわざ私の為に用意しておくとは感心じゃ」
美さんはカラカラと結託な笑みを浮かべる
因みに
それよりもだ、、、「あのどうやって部屋に入りましたか?」
「む。普通に玄関からお邪魔したが?」
キョトンとした無垢な表情
「いや、あの鍵は掛かっていたはずですし師父と共同で作製した結界で先ず入れない筈なのですが、、、」
そう、いくら熟練の仙人の美さんさえ強固な結界を掻い潜れるわけない
「普通に解除したぞ?」
「え、確かに結界壊れてないですがえッ、え?」
結構な自信作である何より師父と共同で以下略
「お前、私は天仙ぞ?結界をすり抜けることくらい容易い」
(そうだったぁあッッ!!)
仙人にはランクがある
尸解仙→地仙→天仙→神仙と昇華する度に人と掛け離れた力を得る。
しかもこの人は邪仙(煩悩にまみれた仙人)から一気に昇仙したからここ百数年の逸材の方だった‥
閑話休題
「では結界は正常なので構いませんが何故貴女は勝手に私の酒を飲まれているのでしょう?」
師父に渡す為の酒も殆んど空き瓶になっておる
「なに?私のための酒ではないのか!?」
「その横の空き瓶5つの酒は師父の為に買い込んだものなのですが、、、」
そう、修行をつけてもらう対価として二日後に持っていくつもりだった
「‥あいつのか厄介な奴の酒に手をつけてしまったか」
美さんは師父とは仙界でも人里でも主に博打仲間として交流している。
「美さん手持ちはおありで?」
「んにゃ‥ない袖は振れぬ。」
「では師父とまた‥」
「えぇ‥これ以上遊び過ぎるとまた修行せにゃならんじゃろうて」
「でも師父の分の酒に手を出したらどうなるか腐れ縁の貴女ならお分かりでしょう?」
「むぅ‥」
彼女は師父と博打仲間と記述した通り良く遊び回っている。
そして、必ず飲む。
宴会の席には俺も誘われるが、師父はとにかく酒が好きで好きすぎて昇仙できないのである。
煩悩にまみれた仙人ではあるので実は師父も邪仙人だが別に悪さはしない欲に忠実なだけで真面目に修行すれば美さんのように昇華できる。
彼女がこうも渋るのは
「それって酷いと思わないかい?八仙、、」
「いいえ、お二方で決めたルールでしょう?」
「最初は私が勝ち特だと見込んで決めたのにいつの間にかあやつの方が上手になりおってからに‥」
(実は師父、占星術で先読み出来ることは黙っておこう‥)
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