第5話 博打狂いの稼ぎ方

あの後、結局銭を稼いで酒を買うとの事で、

何故か曇り空の蒸し暑い湿地滞に連れてかれたが

それにしても本当暑い‥


「あの美さん此処は?」


小一時間歩いた場所に小さなあばら家がポツンとかろうじて建っていた


「うむ、ここは人ならざる者も等しく勝てば一角千金頂戴できる場所じゃ」


‥つまりヤ○ザさんより怖い魑魅魍魎共が営む異界の賭博場って事か。


「あの、もしも負けたら対価は‥」


「そうじゃのう我々仙人は高こう売れるじゃろうなぁ。」


嗚呼、、、俺を連れてきた理由が良く解ったわ


「美さん、御願いですからイカサマはバレないようにやってくださいよ?」


「任せときな!」


俺も仙人の端くれ師父との修行で似たような事を修行と評してやらされたし、美さんと師父のイカサマ合戦の際の審神者として立ち会ったな‥


我々が中に入ると人ならざる者が此方を視る


(おいおい仙人が来やがった)

(あの小僧はまだ雑魚だ喰っちまうか)

(まてまて慌てるなコイツらをイカサマして‥)

(ゲヘヘヘそうだな所詮コイツらは負ける)


うわぁ皆さん目がバキバキなんですけどぉ~

負けたら五体満足どころか魂迄喰われますわぁ


「おい、仙人ここは丁半博打か麻雀しかないが大丈夫か?」


「うむ、では丁半博打をやろう」


「あいよ、じゃあ始めるぜぇ」



丁か、半か!サイコロの音が僅かに変わる。

やっぱり相手もイカサマするか‥

だが賽の目は聞き取れた後は美さんに合図を‥

「んッんッ‥」さりげなく咳き込むこれは丁を示している合図。


「丁!」


「ようござんすか、ようござんすね?

勝負!しにの丁!」


よしよし、出だしは良い我ながら楽勝だがこのサイコロとは別にもうひとつ袖に隠しているのがみえる。油断禁物だな



~閑話休題~



「いやぁ~勝った勝った」

満面の笑みを浮かべる美さん


「本当についてましたねぇwww」

俺も一安心しつつ連れて笑顔


しかし「納得いかねぇ‥」と1体の怪しが禍々しい鉈を握って襲いかかってくる


「わあ、危ないせい!」ひらりと躱しつつ掌の衝撃波で相手の胸部を圧殺。

俺だってこんくらいできらぁ

ちょっぴり鼻を高くしていたら

「てめえ、人間の癖にやりやがったな!」

すみませんでしたこんな量の異形を倒すのはちょっと実力不足かも‥


「ふん!」「「「「ギャアアァアァッ」」」」

宝貝持ってきて良かった。



「おお、やるではないか八仙!素晴らしい」


「いえ、たまたまです」

内心誉められてとても喜んでいる自分がいるのは内緒。


「さて、たんまり銭も入ったし酒買って帰るか」#袱紗__さいふ__#には金銀とたんまりはち切れんばかりに入っている。


「美さんその前に貴金属は金券に替えないと人里では買い物できませんよ」


「おお、そうじゃのう手数料安く見積もってくれる質屋に赴くかの?」


とてもご機嫌な様子で何よりですが落とさないでくださいよ?


「そうですね、しかし貴女も人が悪い‥」


金銀くらい美さんなら錬丹術でより質の良い物を産み出せるというのに


「ふふっ私は博打が好きなのじゃ何よりああいう人里では楽しめぬスリルもあるからのう」

カラカラと笑って少々浮き足なっとる‥


「あのう、宙に浮きすぎて怪我なさらないよう気を付けてくださいよう?」


「フハハハッ気分が良くてのう、そうだな‥八仙、金もたんまりじゃからたまには私とサシで呑まんかえ?」


「え、美さんの奢りでなら‥」


「勿論たんまり奢ってやる!」


「‥!?では飲みにいきましょう!」



「「行くぞ~おおーー!」」



こうして二人は結局換金した金全て一夜で使い果たし、振り出しに戻ってしまったのであった、、、





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