一、因果

 全ては、因、から始まる。


 砂時計をひるがえす何か、という存在なくして、どうして時を刻もうか。


 森羅万象が、果を、寝待ちするならば、運命の歯車は回らない。


 因なる種をき、果なる実を付ける。


 果なる実は、因なる種を内包し、再び、何度でも、命を循環まわす。


 この草本質そうほんしつの栄枯盛衰こそが、現象的物質的四次元時空間における、無限の時である。


 つまるところ、時の始原は、因の発生なのである。

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