全てを失った。それでも景色はきれいだった。

蹴球之敗北者

プロローグ

「.....最期くらい、綺麗なものを見たいな」それが、俺の最後の言葉だったと思う。

心臓を刺され、血の温かさが全身を抜けていく。

目の前には、裏切った恋人と、親友と、俺を見捨てた仲間たち。

その奥ー一曇った空が、夕日に照らされて淡く赤く染まっていた。

きれいだ、と思った。

何もかも失ったというのに、不思議と涙は出なかった。

そしてーー

「....あなた、生きてるの?」

..........ここは、どこだ?」

目を開けると、そこは見知らぬ森の中だった。

空は、さっきと同じように.

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全てを失った。それでも景色はきれいだった。 蹴球之敗北者 @kamon45

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