リ・バース

村崎残滓

リ・バース

明晰夢(とすれば君を穿つピン・ヒールに罪はあるのだろうか?)


紙片より軽い生命と白い部屋 私、踏みたい、あなたを、とても。


じわじわと打ち抜くたびに死にたての肉はこたえる弾む鮮度で


梔子の鉢を落として割ったとき隠したすごい快感のこと――


〈リ・バース〉暗転ののち配役が替わり、遅れて届く 痛み


内股の見慣れた痣の膨らみのぶよぶよ加害の免罪符めく


振り上げて降ろす風圧「はじまりは侵略だからはじめずにいて!


」叫びながら目覚めた 滾る汗腺を宥めるためにベランダに出て


踏む それが鼠のかたちをしていても、もしかしたら私かもしれない


ひとつになろうという純粋な善意から口に含んだ死を吐いた朝

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リ・バース 村崎残滓 @murasaki_zanshi

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