第3話 死蝶

「もしもし、お母さん?お葬式は終わったわ。今から帰るけど、何か買って帰ろうか?」

「、、、。そうね、お父さんのお骨を貰って来て頂戴。」

「え?それって火葬場にも行けってことなの?」

「お願い、、。だってお父さんの正式な妻は私なのよ。お骨はお母さんが供養するのが当然でしょ。」

お母さん、それを私にやれって言うの?

あの人がすんなり渡すなんて思えない。夫婦のことなのに、、。

「お母さん、はっきり言うけど、それってお母さんがやればいいんじゃない?

なんで私にさせるの?」

「お母さんはあの人に会いたくないの、わかって頂戴。お母さんは強くないから。お母さんは冴ちゃんだけが頼りなの、、。」

「わかった。やってみるけど期待はしないで、、。」

そう告げると電話を切った。


いつもそう。お母さんは嫌な事は周りの人に上手く押し付けてくる。

父がいた頃は父が全てをやっていたんだろうね。

お母さん、重いよ。


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