【9】鈴木 ―「君となら、物語は終わらない」
恋は、静かだった。
だけど、確かに僕を変えていった。
まるで、背表紙に少しずつ色が染み込むように。
独りじゃなかったから、
気づけた風景がある。届いた言葉がある。
僕の人生はまだ白いけど、
彼女という物語と出会って、初めてその“書き出し”が見えた気がした。
――たぶん恋って、そうやって少しずつ、誰かのページに寄り添っていくことなんだ。
そして今、僕の背表紙には、ほんの少しだけ色がついている。
それが、彼女の色だとわかるだけで、
世界はちゃんと、美しかった。
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