(二)
用水路にかかる橋の先には、また別の公園が広がっていた。
かなり広い公園で、駐車場があり、テニスコートがあり、野球やサッカーができるグラウンドがあった。
橋の先の道は駐車場とグラウンドの間をまっすぐに進み、駐車場の奥には公園の管理棟が建っていた。
管理棟の傍には十メートルほどの時計塔が聳えている。
道の入り口脇に公園の案内図が立っていたので、見ると、この先には菖蒲田とか日本庭園とかもあるみたいだ。
管理棟の方に向かってみる。
管理棟は半円形の二階建ての建物で、一階には休憩所が設けられていた。
内部を覗くと、数基のベンチと、奥に数台の飲料の自動販売機が設置されていた。
そして、数人の老人や子連れの母親たちがベンチに座って、ペットボトルのお茶などを飲みながら談笑していた。
ここまで歩いてきて、発汗でシャツが濡れて不快極まりなかったので、涼むために中に入ることにした。
しかし、意に反して、屋内は生暖かい空気に満ちていた。
エアコンをつけてないのか?
この猛暑の日に信じられなかったが、これでは涼むという目的が果たせないので、すぐに出た。
管理棟の隣にはフェンスで囲まれた一角があった。
フェンスの内部に入る入り口の脇にはパネルが掲示されていて、茶室の利用について注意書きが書かれていた。
フェンスの内部には茶室があるらしい。
開かれている入り口から中を垣間見ると、梅と思しき樹木が何本か植えられ、いろは
そして、右には
これが茶室なのかもしれない。
入り口脇のパネルの注意書きを読むと、利用時間と利用料金、問い合わせ先などが書かれていた。
どうも、この茶室は、歴史的な建物というわけではなく、近年に行政が市民サービスのために建てたもののようだった。
茶道や華道などの催しなどで利用されることを念頭に、利用する際は市役所の担当部署に予約をとって、所定の利用料金を払って利用するようであった。
ただ、利用料金については明記されていなかった。
利用時間は午前九時から午後四時までとある。
現在は午後三時過ぎである。
後一時間もないが、茶室に興味が湧いたので、フェンスの中に入ってみることにした。
築地塀沿いに道を進むと、茶室の
予約を取らないと中に入れないということかと、ついさっき入り口の注意書きを読んだのに、今更気づいた。
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