第11話厨二病少女
あの後、俺が熟睡しすぎて昼休みの後の授業に遅れて優子には申し訳ないが授業に遅れることになった。
後ほど優子に一応謝ったが想像通りというか「全然大丈夫ですよ」と何も気にしてないようだった。
放課後まで特に何もなく、授業が終わり帰りのホームルームも終わったので俺たちは特に部活とかには所属してないので学校に長居する理由もないのですぐに帰ることにする。
「流星、俺も昨日と同じで途中まで帰るぜてか少し遊びたいし寄り道しない?」
「おーいいな、なんか青春って感じするわ。優子も大丈夫かな?」
「大丈夫ですよ」
「じゃあ、寄り道するぞ!」
「「おー」」
雄也の掛け声とともにあまりテンションを上げるのが苦手な俺と優子のやる気ない声で返事する。
「善は急げだ早く行こうぜ」
「いや、そんな急がなくてもいいだろ」
「流星、時間は有限だぜ」
雄也はムカつく言い方で俺の胸をトントンと叩く。
顔もニヤってしていてムカつくが悔しいことにイケメンなので絵になるのがクソムカつく。
蹴りを一発ぶち込みたい顔しているが我慢する。
「よぉよぉー!そこの3人組よぉー!ちょっと私の話聞いてくれない?」
「でさー優子は何処か行きたい所ある?」
「んー私は流星さんとなら何処でも行きますよ」
「ちょいちょい!私の声聞こえてますかー!?」
「ゲーセンとか行かね?」
「おーいいね!優子もそれでいいかな?」
「あれれー?私って幽霊だったのかなー?」
「はい、大丈夫です」
変な格好をした人が出現したので危ないやつだったら、嫌なので俺たち3人は素晴らしいスルースキルで何とか躱し、仲良く話しながら廊下を歩く。
「無視するなぁ〜!?!?今、あんた、私と目が合ったでしょ!?」
とうとう我慢できなかったのか。俺たちの前に立ちはだかり大声を上げる。
初めて立ちはだかった人を見る。制服のリボンが黄色ということは二年生で俺たちの先輩ということになる。
先輩と思われる人の容姿は凄かった。真っピンクの髪をサイドで結んでいて、右目には髑髏の描かれた眼帯に左目は黄色の瞳に左手には包帯がぐるぐる巻きにしてある。背中には黒いマントを羽織っている。
どう見ても重度の厨二病患者だ。可哀想に普通なら中学生で卒業するのに高校二年生まで完治していないのはのちに彼女が大人になった時の黒歴史になるだろう。
「雄也知り合い?」
「いや、違うぞ」
「じゃあ、優子の知り合い?」
「いえ、こんな方知りません」
2人の知り合いじゃないのか。
なら…
「ということでさよなら」
「ということじゃねぇー!帰るなー!?ここは普通ここまで声かけるってことは何か用事があるって思うじゃん!?!?」
心なしかこの先輩が涙目になってきたので非常に嫌だが、泣かれたら更に面倒なので要件を聞いてやることにする。
「はあ〜で?なんですか?先輩俺たちに何の用ですか?」
「なんか!?はあ〜しょうがねえなみたいな感じで嫌なんですけど!?」
「俺ら時間ないので早くしないなら帰りますよ」
「わかったから!すぐに言うから帰らないで!」
先輩は気合いを入れるように咳払いをする。
「ふん!妾はヴァンパイアクイーンの沙也加だ。妾とともに破滅の危機を救ってはいただけないだろうか?」
「……」
「すいませんー!?無言で帰らないでぇー!?素直に言うから!ラノベ執筆部が廃部の危機だから!入って欲しいのぉー!?」
詳しく聞くと3年生が受験勉強に集中したいからと部活を退部したから真鍋 沙也加先輩だけしか残らなかったので1人になってしまったので顧問の先生に一週間以内にせめて3人以上揃わないと廃部になると宣告されたので必死に部員集めをしているらしい。
「それはまた、で何で俺たちを誘ったんですか??」
「そのーだって君たちのこと学校で噂になってて話聞いたらラノベのラブコメ主人公たちみたいだって思ったんだもん!」
先輩の話より俺たちが上級生の間でどのように噂になっているか。気になるが話の腰を折ったら永遠に進まない気がするので何も突っ込まない。
「どう言うことがですか?」
「だって、山田くんが主人公として転校してきて超絶美少女の桐谷さんとは最初から仲良しでしかも一年生の間でイケメンと噂の七瀬くんとも友達じゃん?これは山田くんがラノベ主人公みたいじゃん」
「た、確かに…」
「「???」」
先輩に指摘されて気づいたが確かにラノベのラブコメの主人公みたいだ。優子と雄也は見た目通り。ラノベを読まないのか疑問符が浮かんでいる。
「だからね、こんなの神様がこの子達を部員に加えなさいと言われてる気がして貴達に声をかけたんだ」
「な、なるほど…でも部活入る気はないですよねー優子と雄也はどうする?」
「んー雄也が入らねーなら俺もパス」
「私も流星さんが入らないなら入部しないです」
「ということで先輩すみませんが諦めてください」
「お願いします!部活を存続させたいんです!」
「「「!?」」」
先輩は徐に俺たち3人の前で土下座した。廊下を歩いていた他の生徒も何事かと注目している。居心地が悪い。
てかここ数日で2回土下座見てるんだが、何で土下座されるとこんなに罪悪感抱くのだろうか?
「なあー流星、見学だけでもしていかね?」
見かねた雄也は提案する。
「ほんとーですか!?」
先輩がキラキラした顔をしていて断れない。
「とりあえず見学してから入部するかしないを決める方向でいいですか?」
「うん!それでいいよ!さあー!行こう我が同胞どもよ!?」
沙也加先輩はパァーッと表情を明るくして元の調子に戻る。てか格好は厨二病だけど言葉はそこまでこの人厨二病ではないだよな。
この人、もう俺たちが入部した体になっている。
俺たち3人はそのまま沙也加先輩に部室に連れて行かれた。
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