第9話優子のお願いごと

家に帰った。俺たちは先程親父から「仕事が溜まりすぎてて家に帰れないから飯はいらん!」って連絡があって今夜は優子と俺だけで過ごすことが決定した。



「優子、親父が今日仕事の都合で帰れないからご飯要らないだって」


「わかりました」



まだ、優子が我が家にやってきて2日目だと言うのにもうキッチンに立っているのに違和感がなかった。


俺は優子の料理を作る手際が洗練されているなーと後ろから眺める。



「流星さん、そんなじーっと見られいたら料理が作りにくいのですが」


「いやー料理の手際がいいなって思って」


「まあーお母さんが飯マズ料理しか作れないので小学生の時から料理全般は私の役目ですから」


「へー凄いな」


「それ程でもないですよ〜ようは慣れですから」



口では否定しつつ顔は綻んでいるので褒められて喜んでいるようだ。



「可愛いな…」


「へ…!?い、いきなり!?何言ってるんですか!?」



俺の呟きが聞こえていたらしく。こちらを振り向き顔を真っ赤にしながら、照れな隠しなのか手に持っていた包丁をブンブンと振り回している。



「優子さん!包丁持っているから危ないって!ちょっと落ち着いて」



なんとか落ち着いて貰った。



「いきなり流星さんが変なことを言うからです」


「いや、変なことではないと思うけど」


「こほん!後から約束したのでお願い事を聞いて欲しいです」


「お、おう」



優子は咳払いで誤魔化すようにして話題を変える。それにしても優子自身「私の命より大切な人です」とか自分は恥ずかしげもなく言う癖に褒められることには弱いらしい。


それより、今はお願い事の件だ。優子のことだから変なことは頼まないと思うが(切実)、変なことは頼まれないように願っておこう。



「今日は激辛麻婆豆腐にしてみました」


「おー凄い真っ赤だね…」


「はい、私が辛いもの大好きなので流星さんにも是非辛党になって欲しいと思い作ってみました」



麻婆豆腐は真っ赤でどれだけ香辛料を入れたらここまで真っ赤になるのだろうか?


目の前に置かれるが辛そうですぎて唾を飲み込む。



「じゃあ、いただきます!」


「い…いただきます…」


「美味しい!」



優子が美味しそうに食べているのを見て、あんまり辛くないのかもと思い口に運ぶが普通に辛かった。



「辛っ!?水!水」


「はい、流星さん水です」



その後、水をがぶ飲みしながら完食したのは言うまでもない。しかも、口の中の辛味が消えるまで15分近く苦しんだ。




——食事後


俺は今、優子との約束を果たす為に向き合っている。



「で優子の俺にして欲しいお願い事って何かな?」


「じゃあ、甘えてもいいですか?」


「それでいいの…?」


「はい、私家では常に完璧を求められて人に甘えた経験があまりないので…ダメでしょうか…?」


「いや、ダメじゃない」



その下から見上げる感じの奴反則だろう。こんなの優子にやられたら誰でも落ちるだろ。



「具体的にどうすればいい?」


「じゃあ、まずはハグをしてもいいですか?」


「お、おう」



優子と抱き合うお互いに無言で静かな時間が流れる。俺は優子の体温や体の感触を感じて心臓が爆発するじゃないかというくらいドキドキしている。この至近距離だから優子に俺の心音が聞こえてるんじゃないと思う。それと同時に優子もドキドキしくれているのか心音が早鐘打っているのを密着している体越しに感じる。


10分経ってもハグをしたままだ。いつまでするのだろうか?。と思考していると優子から離れた。



「頭撫ででください」


「おう」


「ん…」



優子が今度は頭を撫でる事をお願いしたので素直に頭を撫でる。心地がいいのか撫でられながら目を瞑っている。


優子の髪は物凄くサラサラで絹やシルクを撫でているような触り心地だ。やっぱり頭って撫でられると落ち着くのかな?。



「めっちゃ…いいです…」



その後、10分くらい撫でてやると満足したようだ。腕が筋肉痛になりそうだ。まあー優子が満足してくれているのなら片腕くらい安いものだ。



「満足しました」


「それはよかった」



優子はホクホク顔だ。



「じゃあ、最後に添い寝頼めませんか?」


「そ、それは…」


「ダメ…ですか…?」


「い、いいよ」 



それはーって思ったけど昨日一緒に寝たんだった。それなら問題ないか。(全然問題大有り)



「じゃあ、寝てください」


「おう」


「失礼します」



俺が自分のベットに寝転がると優子が俺の腕に収まるように寝転がる。



「ちょっと抱きしめて貰っていいですか?」


「おう」



もうここまでいったら、もうなんでも出来る気がして優子の要望を渋る事なく叶える。



「なんか安心します。ふふ、流星さんって思った以上に大きいんですね」


「まあー一応、178センチあるしな」



優子の方は俺より一回り身長が小さいので普通に腕の中にすっぱりと収まっている。



「ちょっと、寝てもいいですか?少し頭撫でてくれると嬉しいです」



俺は優子が寝るまで頭を優しく撫でる。撫で始めて5分で優子から可愛らしい寝息が聞こえてきた。寝たようだ。なんか…俺も眠くなってきたな。


気づいたら俺も寝てしまっていた。


その後、起きたのが21時近くでそれからお風呂に入ったり、歯を磨いたりしていたら気づいたら23時を過ぎていた。


優子の抱き心地が良くて1時間程寝るつもりが2時間眠っていたようだ。それにしても優子は抱き枕にピッタリのような気がした。





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