創作の原点を思い出させてくれる物語

この作品は、「スローライフ」という分野ゆえ、派手な展開や即効性はありません。
けれどそのぶん、感情に深く寄り添い、読み手の”人生そのもの”に、じんわりと沁み込んでくる——そんな不思議な余韻があります。

さらに一人称構造によって、主人公ハノカさんに自然と自分を重ね、気づけば彼女を応援している。構成の完成度と、感情への届き方を、ここまで両立させている作品は本当に希少だと思います。

読み進めるうちに私は、
「評価されたい」「反応が欲しい」という外側の理由ではなく、

「この場面を書いていて楽しい」
「このキャラなら、きっとこう動くだろう」

——そんな、創作の原点のような気持ちを思い出しました。

人を想う物語が好きな方、
静かな余韻の残るファンタジーが好きな方、
そして“なぜ書くのか”をもう一度思い出したい方に、心からおすすめしたい一作です。

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