幼馴染との両想いのラブコメに見せかけて、「好きだからこそ踏み込めない」葛藤を描いた青春物語。主人公・正三くんは、美華さんの想いに気づきながらも、とある事情により“あえて鈍感を演じる”ことを選ぶ。その結果、甘くて近いのに触れ合えない距離感が生み出す切なさが、とっても印象的です。読んでいて思わず「ふふっ」と微笑む言葉選びや、ラブコメ的なテンポとメタなユーモアの裏に、互いに想い合いながら時期を待つ誠実さが滲む。2人の未完成な関係の尊さと、未来への静かな約束が感じられる、とっても素敵な短編です。