第8話 海洋国家アルビオン
海洋国家アルビオンは海の中、それもとてつもなく深い場所にある。
だがしかし、人が来ないわけではない。
というのも、このアルビオンにはとある有名なジンクスがあるからだ。
「ここで結婚したら、ずっと幸せになれる」
……くだらない、そう思う。
悲しい話なのだが、そのジンクスを作った奴はは俺の知り合いなのだ。
因みにそいつは生涯独身だったし、何なら恋人を見つけては「なあ、あいつら爆殺していいか?」と聞いてくる奴だった。
……多分今の、アルビオンを見たら発狂すると思うぞ。
だって、カップルしかいないんだからね。
「たっくん!わたし、あなたのことが……」
「結婚してくれ!」「私は生涯あなたを幸せに……」「あなたと私、釣り合うのは当然ななよ?」「君ってさ、きれいだよね!好き!」「まあ、この僕が君と付き合ってやってもいいといってやるのだけれどね?」「ぬいぬい!ふうふふふふふ!」「好」「わたくせすこしすきなかたが……」「くハハハハハ、我が好きな相手は貴様だ!」「この私が結婚してくれと言っているのですよ?断るなんてありえませんわ!」「つぎなんにんめ?」「嗚呼ジュリエッタ、君だけだすべてを支えてくれるのは。形骸化された愛の形を……」「何でですか!」すごく腹が立ちます!私がこんなに好きだって言っているのに!」「なしてや私が好きやっていっとるやろ!?そっか、かんにんな……」
「わたくしの……」「嗚呼どうしてジュリエッタわたくしの愛を、拒むのデスか……」「俺のターン!ドロー!……」「もい、ももっもも!?」
「おで、お前好き絶対守る。」
「好きっていえばいいの?わかった、嫌い!!!」
「死ねええええ!!!」「貴様がな」
……何個かおかしい奴はいるが、少なくとも俺の周りで聞こえる声はこんな感じだ。
ちなみにこの恋の告白をしている場所は、この国初代王のアルビオン王の像のしたである。
……余談だが、アルビオン王とは知り合いなのだが、アイツは……
「なあ、余ってイケメンだよな?容姿端麗、フィジカル最強。魔力も最高峰……でさあ、なんで余には側室が一人もおらんのだ?腹立つから、カップル見つけたら追放してやろうかな?」
……奴の銅像は、心なしか悲しそうな目をしている。
たぶん天国から、中指立ててるだろうなあ、アイツは。
ふと、隣を見るとフィサリオが赤くなっていた。
クラゲなので、頭がしっかりと赤くなっていてかわいらしい。
そんな目で見たからだろうか、すぐに冷静そうに軽く咳ばらいをし……
「さ、そろそろ行きましょう。こんな破廉恥……いえ、恥ずかしい場所から離れて、室内に行きましょう!!!」
そう言いながら、ちらちらと周りを見てから、また赤くなっているフィサリオであった。かわいいね、と言いかけたけどそれ以上言うと爆発しそうだったのでやめておくことにした。
「……さて、室内に来ましたけどどうですか?フィサリオさん?」
「……プルプル」
「まあ予想外だったよね。うん。……店の仲間でカップルだらけとはね」
そういう俺のもとに、店員さんが飲み物をもってきてくれた。
余談ではあるが、ストローは一つに二つの口のあれである。
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短くてすまない。
暑いと筆が伸びてしまってだめなのだ。
明日は多分更新無し。
また月曜日に会いましょう!
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