第6話 今後について
「ところで、
「……へっ? えっと……うん、とりあえずちょっと散歩に出て、それから勉強でも――」
「……いや、そういうことじゃなくてね。あと、意外とちゃんとした予定立ててるんだね、意外と」
それから、数十分後。
朝食の席にて、少し呆れたように告げる
「うん、すごく素敵な予定だね。だけど、今聞いたのは今後についてどうするかってこと。高校はもう退学したんだったよね?」
「……ああ、そゆこと。うん、そうだよ。……まあ、とりあえずバイトでもしようかなって」
そう、ふっと息を吐き答える。そう言えば、色々頭が追いつかないことが多すぎて考えてなかったけど……うん、そうだよね。正直、これまではどうでもよかったけど、これからはちゃんと考えなきゃ。これからは、彼が――宵渡さんがいるんだから。
……ただ、とは言え……うん、バイトしかないよね。もう、学校にも行ってないんだし。尤も、あたしの場合は特にそう容易く採用してもらえないだろうけど……まあ、それでも根気よく面接を受け続けてたらいつかどこかは採ってくれるよね。それに……最悪、何も見つからなくともあの手の
「……うん、なるほどね。うん、もちろんそれも悪くはないんだけど――もしその気があるなら、もう一度通ってみるかい? 高校に」
「…………へっ?」
そんな思考の
「……そんなの、無理だよ。というか、流石にちょっと意地悪じゃない? 分かるよね? 宵渡さんなら。あたしが、どうして高校を辞めたのかくらい」
そう、淡く微笑み告げる。……うん、分かってる。彼を責めることじゃないって。前述の通り、わりと真っ当な問いだと思うし、あたしのことを気に掛けてくれているのも分かる。だから、こんな感情が不当であることは分かってるつもりだけど……でも、やっぱり面白くはなくて。
……だって、分かるよね? 貴方なら、分からないはずないよね? あたしがまた学校に行こうなんて思えないことくらい、あのことを知ってる貴方なら分からないはずが――
「――うん、分かるよ。もちろん、承知の上でこんな提案をしているんだ。と言うのも――」
「…………へっ?」
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