第5話 意外な反応?
「――おや、おはよう
「…………まあ、そこそこ」
「そうかい、それは良かった。何か飲むかい?」
「……それじゃ、ココアかな」
それから、10分ほど経て。
階段を降りリビングへ入ると、キッチンにてそう問い掛けるローブの男性。果たして、既に起きてここに来ていたようで。……いや、また着てるの? それ。もう流石に……と言うか、そもそもどのタイミングでも必要なかった気もするんだけど……ひょっとして趣味? ……うん、それなら仕方ないか。
ところで、流石にその最中はローブを脱いで――と言うか、あたしと同じく一糸纏わぬ姿になっていたわけだけども……うん、美形だった。こう、いわゆる男らしいという感じではなく中性的なタイプの。まあ、なんとなくそういう……美形かなって雰囲気があったとはいえ、いざ見たらやっぱりびっくりで。そして、身体は細身ながらほどよく引き締まったあたし好みの……うん、こっちもわりとびっくり。失礼なのは重々承知だけども……こう、もっとヒョロい感じかと。
そして、好みだからってわけじゃないけど……うん、良かった。色々と事情もあり、この手の経験は今までそれなりにあるのだけど……正直、その誰よりも遥かに心地好かった。こう、本当にあたしを大切にしてくれているのがずっとひしひしと伝わって。……ただ、それはそれとして――
「……ねえ、
そう、じっと見つめ告げる。……うん、我ながらなんとも漠然とした問いだとは思うけど……でも、昨日の今日だし分かるかなと。いや、正確には今日の今日? まあ、それはなんでもいい。いいんだけども――
……いや、なんというか……交わったんだよ? あたし達。生まれたままの――本来、見られて最も恥ずかしいであろう姿をさらけ出し合ったんだよ? 求め合ったんだよ? 夢じゃないよね? あれ。ちょっと冷静なふうを装ってるけど、あたしなんて今でも
「…………ん?」
とまあ、そんな具合に一人不服を抱いていると、どうしてか身体ごとこちらに背を向ける宵渡さん。彼にしては随分と珍しい様子だけれど……ひょっとして――
「……ひょっとして、照れてる?」
「……さあ、どうだろうね」
そう、顔を覗き込むように尋ねる。すると、更に顔を逸らしボソリと呟く宵渡さん。だけど、チラと見えた部分がほんのり染まっているように……そっか、そうなんだ。あたしだけじゃなく、この人も――
「……それじゃ、朝食にしようか。そろそろお腹も空いてきただろうし」
「ふふっ、そうだね宵渡さん。あたしも一緒に作っていい?」
「……うん、もちろん」
すると、ややあって珍しくも少し慌てた様子で冷蔵庫へと向かう宵渡さん。そして、そんな彼にいそいそとついていくあたし。……ふふっ、可愛いなぁ。
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