第3話 ……だから、証を見せて。
「――どうぞ、
「……あ、うん、ありがと……」
それから、20分ほど経て。
そう、キッチンの方へと向かいつつそう口にする
「――それじゃあ、何か飲み物でも……あっ、申し訳ないけどお酒はなくてね」
「いやいらないよ。知ってると思うけど、未成年だからね? あたし」
その後、キッチンにてそう問い掛ける宵渡さん。いやいらないよ。未成年だし、たぶん
「…………おいしい」
「そうかい、それは良かった。これでも、一応のこだわりはあるからね」
その後、ほどなくリビングにてそんな会話を交わすあたし達。結局、あたしがお願いしたのは珈琲。理由は単純に好きなのと、何やら本格的なそれ用の機器が並んでいたので、ひょっとして珈琲にこだわりがあるのかなと思ったから。すると、果たしてそうだったようで……うん、すっごく美味しい。
……ただ、それはそれとして――
「……ん、どうしたのかな葉乃ちゃん」
「……あ、いや別に……」
そう、首を傾げ尋ねる宵渡さん。……いや、何というか……うん、まだ脱がないんだね、そのローブ。まさかとは思うけど、そのままで寝るつもりじゃ……まあ、もちろん本人の自由なんだけども。
「――本当に良いのかい、葉乃ちゃん。有り合わせで良ければ、何か作るけど」
「うん、ありがと宵渡さん。でも大丈夫。今日ももう遅いし、ご飯ならもう食べてるから」
「……そっか。まあ、それもそうだね」
それから、少し経過して。
宵渡さんの問いに、軽く首を振り答えるあたし。未だ顔を見えないものの、声音から少しガッカリしているような……いや、気のせいかな。
ともあれ、それぞれ入浴を終えたあたし達。スマホを見ると、もう日付を回っていて。まずい、これでは明日に差し支えが……なんて、別に
「それじゃ、お休み葉乃ちゃん。部屋の場所は覚えてるよね?」
すると、ほどなくそう言い残しリビングを後にしようとする宵渡さん。うん、覚えてる。二階を上がってそこから真っすぐ、そこの奥から二番目にある部屋だったはず。……でも、それはそれとして――
「……ねえ、宵渡さん。本当に、信じていいの? 貴方のことを」
「……へっ?」
そう尋ねると、ポカンとした
「……まあ、それはそうだね。なにせ、今日会ったばかりの正体不明の怪しい男――完全に信用しろという方が到底無理な話だろうしね。いや、僕のような人間でなくとも完全には無理か」
すると、ふっと息を吐きそう口にする宵渡さん。……いや、怪しいって自覚はあったんだ。まあ、怪しいからね、どう考えても。
「――それで、葉乃ちゃん。いったい、僕に何をしてほしいんだい? ここまで来たということは、まるで信用してくれていないわけでもないんだろう?」
「…………」
すると、ほどなく至って冷静な口調でそう口にする宵渡さん。……うん、やっぱり察しが良いね。
そう、彼の言う通り、まるで信用していないわけじゃない。だけど、あたしが基本人を信用しない
「……だから、証を見せて。絶対に、あたしを裏切らないという証を」
「……裏切らない、証」
そう、じっと見つめ告げる。信用とは、即ち裏切らないという約束――ならば、仮に人間的に信用できなくても構わない。結果的に裏切られなければ――即ち、強制的に裏切れないようにしてしまえばいい。そして、そのためには――
「…………葉乃ちゃん」
そう、茫然とした
「悪いんだけど、言葉じゃ当てにできない。だから――あたしを抱いて」
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