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女史とふたりだけの時間を過ごすのは思えば初めてのことでした。
永遠に続くのかもしれないと思えるぐらいに満たされた気持ちになりました。
お宅には誰もいらっしゃらないようでした。
最後に一度お会いしてからずいぶん日が経った気がします。
女史は、変わらず美しくキラキラしています。
化粧をしていなくても美しさは損なわれていませんでした。
このままずっとここに居たいと思いました。
でもそういうわけにはいきません。
あまり長居をしては女史に迷惑がかかります。
でもおいとまを告げる勇気がなかなか出ませんでした。
「宮崎は初めてですか?」
「はい。」
「どうですか。」
「素敵なところです。」
「このままここで暮らしますか?」と笑いかけてくださった。
「そうしたいです。」
「今日はここに泊っていきますか。」まだ笑ってます。
「そうしたいのですが、今日帰らないといけません。」
「そうですね。また来てください。連絡先を交換しましょ。」
そういって、女史は、連絡先を教えてくださいました。
名残惜しかったのですが、ずいぶんいろんな話ができました。
そろそろお別れの時間です。
「そろそろおいとま致します。」
「まだ早いじゃないですか。それにここからじゃ帰るのも大変でしょ。一緒に駅まで行きましょう。」
そうおっしゃり、一緒に玄関まで行きます。
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