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まぎれもない名波女史が目の前に居ます。

化粧はしていないのでしょうか、今までの印象とは違います。

でもそれがかえって印象的で美しくまばゆいばかりでした。

緊張と興奮で舞い上がってしまい、思考回路が停止してしまいました。


"ほんとに青田さんなの?

青田さんが宮崎まで来てくれたの?

何も変わってないのね。

ありがとう。

訪ねてくれてありがとう。

いとおしいわ。

抱きしめてあげたいけど、そんなことしたら失神しちゃうわね。"


はっと気が付いて、お辞儀をいたしました。


"そうね、青田さんは直角お辞儀だものね。可愛い。

元気だったのかしら。"


「元気でした?」

「はい!」

「さあ入ってください、何もないですけど。」

「よろしいでしょうか。」

「どうぞ。」

くつを丁寧に揃え、お宅に上がらせていただきました。

家族の方はいらっしゃらないのでしょうか。

応接間のようなところに入りました。


「ちょっとお待ちください。」

と女史は丁寧な言葉でそう言って私はひとり応接間で待ちます。

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