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緑が多い、田舎の1本道のようなところです。

目の前のお屋敷以外は、林のようになっていて、ほかに家があるのかよくわかりません。

視線をお屋敷に目を移すと、立派な門構えにインターホンような物があるのが見えます。

そこまで歩いていき、目をつむり深呼吸をいたしました。

緊張で手が震えてきました。


ボタンを押しました。


少し時間があきました。セミの鳴き声しか聞こえません。


「はい、どちら様でしょうか。」

インターフォンからくぐもった声が聞こえてきました。

女史の声ではないようです。


「青田と申します。名波さんは御在宅でしょうか。」

一瞬、間がありました。


「青田さんなの?」


なんとその声は女史の声だったのです。


胸が高鳴り、息ができなくなりそうでした。


「入ってきて。」


門を開けてくぐり、玄関まで歩きました。

緊張でからだが硬直して歩き方を忘れそうでした。


玄関前で直立して待ちました。


しばらくして開き戸が開きます。

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