第四十節 何が消えたか

剥がれてゆく

わたしの記憶

甘く あたたかく

まるで 肯定するように

「これは 痛みじゃない」と

わたし自身が 嘘をつく

剥がれてゆく

わたしの罪

誰かの声も

触れられないぬくもりも

すべて 滲んで 透明になった

「わたしは 綺麗になった」と

わたしが 囁く

あの嘘は もう わたしのもの

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