◆最終章:らしく、なくても。

優が戻ってきたのは、それから数日後。

蒼は笑って彼を出迎えた。
そして、昼休みにこっそり彼の机の中に、手紙を忍ばせる。

「私は、君の“可愛い”ところが好き。
そして、私も自分の“可愛い”を好きになってみたいと思えるようになった。
だから、一緒に“らしく、なくても”を探していこうよ。」

優は手紙を読んで、涙がこぼれそうになるのをこらえながら、
隣の席の蒼に向かって、そっと微笑んだ。

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