エピローグ(1年後)

文化祭の準備期間。
蒼は髪を少し伸ばして、初めてスカートを履いた。
優はぬいぐるみのデザインを担当する美術班の中心メンバーとして、堂々と意見を言っている。

「自分らしくなんて、最初から決まってない。探しながら、生きてくもんだと思う。」

そう言って笑う優の横で、蒼も笑う。

二人は並んで歩いていく。
「らしく、なくても。」
それが、彼らの“らしい”道になっていた。

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