青春は屋上、追い駆けろ生徒達よ。

宮世 漱一

第1話

「大人の青春って燃えるよな。」

「あーわかる気ぃするわ。」

「久しぶりの再会でお前ら変わったな、なんて言って昔全員で約束した彼女が誰一人出来てなくて笑いながら初めてこのメンバーで酒飲めて良かったわ〜って言いながら肩組みあって全員酔いつぶれるというのがすごく浮かぶ。あれだな。リア充じゃなくても友情のみで青春する的な感じがとてもまぁ…」

「長ぇな。」

こちら高校にしては珍しいオカルト部。

危ないことはしないと決めた俺らだけの青春の溜まり場がある。

屋上。放課後クラスの違う俺らは屋上に集まって共にラノベを読んだりオカルト記事を読んだり掲示板でレスバしたり。


「明後日の夏コミこのメンツで行こうぜ。俺の推し同人作家がでかいブースでなんかやるらしいんよ。」

一応部長?の、『よしけん』こと吉本謙也。コイツはまぁよく喋る。というかオタク特有の早口的な。

「あー俺パス。新作の掃除機買いに行くつもりなんだよ。」

そサブリーダーのにっしーこと西村拓也。基本無口で頭がいい。顔もいいからモテるはずなのに異常なまでの潔癖症掃除好きのせいで若干距離置かれてる系男子。

「釣れないっすね〜!俺は行くっす!よしけんさんが行くんだったらどこまでも!」

コイツは宮下蓮也。呼び方は固定なし。黒髪メガネが集まるようなココに集まるような柄じゃないプリンになりかけの金髪に赤メッシュという見るからにヤバめの舎弟口調の同級生。何故かよしけんを溺愛している。

「…俺ついて行こっかな…皆みたいに予定ないし…」

黒井大成。ちょっと根暗気質なヤツ。ただ滅茶苦茶優しいゆえにオカルト部の聖母と呼ばれることも。

「僕もパス。いやぁかわい子ちゃんにデート行きませんか〜言われたからなしゃあないんよな〜俺紳士やから断れへんかったな〜ほんまは行きたいけど〜」

「ギルドのNPCの女の話題を現実に持ち込むな。」

エセ関西弁&自称モテ男(ただの勘違い男で女好きなだけ)な近藤春道。通称ミッチー。そしてコイツとセットの真面目系の見た目のクソバカの橋本圭。通称けいポン。

ほんで俺、星川流河。明らかなキラキラネーム。あだ名は天の川。まぁ、あだ名っていうのは仲のいい証拠だよな。と、今ではこれはこれで気に入ってる。

「いやぁ〜このオカルト部の青春って感じ最高っすよね〜ね!よしけんさん!」

「まぁ…俺らの学校生活は青春と言うには美しすぎる。」

「陰キャの溜まり場だろここ。」

よしけんが呆れたかのように言い放った。

「これは俺らの青春なんだからそれ以外でもなんでもねぇよ。」

「…まぁそうかもな」

部長の発言に対して副リーダーが上手く返す。そして部長も納得するいつもの形。ここも最高のコンビだと思う。


「んじゃ。ちょいとオカルト研究しちゃいますか〜!」


そして今日も屋上で俺達しか知らない最高でバカな青春の続きが始まった。

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青春は屋上、追い駆けろ生徒達よ。 宮世 漱一 @soyogiame-miyako2538

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