#7

「為になる話をありがとうな爺さん…そこにある棒を借りても良いかい?アンタを助ける為に目印にして下山を試みてみるよ」と老人に提案する。

『…8本だけ持っていくと良い…残りは置いておいてくれ』と言われて8本抱えた。

『どれ…あの出口まで案内するかの…』とおもむろに立ち上がりまた歩き出す。


***


出口まで案内されるとあれだけひどかった天気は晴れていた。

「必ず助けに来るから待っててくれ」と老人に話しかける。

『生先短い爺さんは気にせんで良いぞ?お前さんは今をしっかり見つめて生きるんじゃ!』と俺を励ますように言ってくる。

「必ず助けに来る…その為にこの棒を借りたんだから」と言うと

『じゃあ待っておるぞ?』とニコリと微笑む。

「じゃあ…また後でな…行ってきます!」と出口へ向けて足を踏み出した。


借りた棒を一定間隔で刺して下りていく。


そして無事下山できた。

時間にして十数分と言った所か?

来た道を振り返る。

そこに洞窟のてっぺんが見えた。

安心して歩き出すが何となく気になりまた振り返る…

あの洞窟が消えていて道もなくなっていた。


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