#3

戻る時に後ろから声をかけられる。

『お前さん…どこから来なさった?』

声に驚き振り返ると老人が1人立っていた。

「あ…あぁ、恥ずかしながら遭難してしまいまして…あなたも遭難したんですか?」と老人に問う。

『そうじゃ…もう長い事ここにいるんじゃ…この体力と足じゃ下山は厳しいだろうな…』

「そうですか…食料少しあるんですけど、どうです?」

『ワシは遠慮するよ。お前さんの命の食料を奪う訳にいかん…それに……』数秒の沈黙の後に老人はスッと息を吸い込み

『食料を奪うとワシが長生き出来んからの……』とさも俺が将来の老人かの如く含みのある言い方をする。変な人だなぁと思っていたら老人から提案があった。

『ついてきなされ…』老人に言われるがままに、俺は後をついて行く事にした。


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