帰宅
障りがあるからと目の前で扉を閉められた
えらい古風な理由だなあ
違う方角から訪ねたら家に入れてくれるだろうか
さて困った
我が家に帰りたいだけなんだがな
おおい、僕の愛する人よ扉をあけてはくれませんか
だいどこの小窓から何かぽいっと投げられる
おだまき、花言葉は愚か
どうやら何か怒らせてしまったらしい
思い当たる節が多すぎるのがかなしい
ひとまず玄関先を懺悔室に選ぼう
残り一つのプリンを食べました
おだまき
買い物の帰りに肉屋のコロッケを食べました
おだまきおだまき
お、二つ降ってきた
ちなみにどちらもあなたの分を買ってきました
あれ、降ってこない
と思ったら小窓からちょいちょいと手が出てくる
思わず握手すると
おだまき
あら、間違えてしまった
プリンを食べたことのお詫びに駅前の限定ドーナツもあります
ちょいちょい
少し考えて、降り注いだおだまきをのせてみる
小窓に回収されていった
合ってたみたい
とととっと足音
かちゃり 鍵が開く
罪は赦された
かたじけなし
愛する人にゆるされることの穏やかさを胸に
家に帰る
おだまきが一つこぼれおちた
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