第11話 11個目

貴方が見ている人は本物か、霊ではないか、

ある心霊に引き寄せられ死体になった人の話。

その日は最悪の日となり、

最悪なことの始まりの日となる。

社会人1年目として最後の日となった。

俺は今日、会社をクビになってしまった

もう人生が壊れたのと同じだ、

金を稼げなくなったら今の時代何もできず

何も期待されない、俺はもう学生でもないから

俺の家はボロアパートで屋上がある

もうそこで命を絶ってもいいくらいには

俺はもう生きるのを諦めている

あと少しでアパートの屋上へ着いてしまう。

死にたいけれど、もうすぐ死ぬとなったら

急に死にたくなくなる

よく分かる感情だが、ちゃんと理解はできない

そんな考えをぐるぐる回しながら屋上の縁に立つ

風が強く、身体の重心がぐらぐら揺れる

俺は被害者だ、こんな環境に放り出された

なんで学校でこんなことになるって

教わらないのか、無駄なことに時間を使う

くらいなら会社がこんな理不尽なことを

教えて欲しかった。

背中を押されたように身体が

屋上の縁から投げ出された、

このアパートは5階建て

運が良ければ骨折とかで生きてしまう

だけど運が悪ければ死ぬ、

自分がどうなるのか分からないが

骨折するよりかは死ぬ方がマシだ

「ゴンッッ」

地面に体がが着き、衝撃を感じた

けれどそこまで痛くなかったことにびっくりした

下を見ると、何か長い髪のようなものが

目に入った。それは

それは俺の下に、下敷きになっている

髪の長めの女の人がいた。

その姿は肋骨が折れたのか胸らへんが赤く染まり

鼻や口から血が垂れている、

歯が折れていたり指が曲がったりしていた

「キャーー!」

その姿を見かけた女性が悲鳴を上げた

俺も足を曲げたのか立てない

あとから来る痛みで俺も気を失った

それから数カ月経った

あの女性は死んだらしい。

俺の自殺で他の人が死んで俺は生きた

俺は加害者なのか、いや、あんなとこにいた

あの女性が悪いのか、罪悪感と責任転換が

交差するけどどちらにせよ俺が

人を殺したことは変わらない。

また罪悪感が募ってきてまた自殺したくなるけど

また人に迷惑をかけてしまうかもと

また罪悪感が募る、

「次は〜■■〜■■〜」

西八王子駅で線路の近くで待つ、

駅での自殺は下に人がいて他の人を殺すことも無い

ここで死ねば、そう考えても

一回自殺を失敗したらもっと自殺が怖くなる

俺は怖くなって路線から下がる

それから駅から出ようとした。

後ろを振り返った、腹に熱が籠る

腹にはナイフが刺さっていた、

隣を見たら髪がショートでサラサラと

顔を隠している女性だった。

あの女性じゃない、茶髪だし

あの女性より身長は低めに見えるし

服も靴も違うしピアスもついてる

あの女性がとは全く違うはずなのに

あの女性と同じに見える。

雰囲気とか気持ち的にあの女性と

同じだ、「ねぇ、痛い?」

「ぇ、?」、、、茶髪の髪の奥から

女性特有の高い声で話しかけられた

俺の腹にあるナイフを掴みグリグリと動かす

「あ゛、ぁあ゛、痛い、痛い痛い、」

俺がそう喘ぐと茶髪の奥で女が笑った気がした

痛みで足に力が入らなくなって崩れ落ちる

目の前の女の顔があの俺が殺した女と

おんなじ顔をしてたように見えた

あの女は入れ替わったのか、

どうしたらそんな現状が起きるのか分からない

けどそう見えたのは変わらない

自殺するときは他の人のことを 

考えなければならない。

ー西八王子駅ー東京ー青樹裕司ー花梅明名ー

畑友奈ー



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