第8話 奴隷商にて

「貴女手をなぜ失ったの?」

 イチは一人の少女が気になる様で質問してる。

「お貴族様に窃盗の罰だと斬られ犯罪奴隷にされました、覚えの無い冤罪です」


 オウツが補助して。

「この娘は貴族令嬢の元護衛で、令嬢が紛失した装飾品を盗んだとの冤罪で、犯罪奴隷にされた気の毒な娘です、右手欠損では有りますが左手で十分戦闘出来ます、銀貨8枚に……5枚でご購入願えませんか?」


(水の癒しを期待して購入する気だな、右手首くらいなら出来そう)

 根拠は無いが、カエル君は思った。


 イチは銀貨5枚支払い、奴隷の首輪を受け取りリムの首に装着した。

⦅イチ、その首輪特殊な物?⦆

「奴隷身分を表す装飾品で、特殊な機能は無いぞ」

 命令不服従で絞まるとか、アイテムじゃ無いのか? ま、そんな都合の良い物は無いのが普通だ。


「イチ、ここで治せば良い?」

「カエル君? 治すって?」


 僕はリムの右手に跳び移り「リム少しの間動くな!」水の癒しを実行した。

 リムは聞こえたはずが、驚いて僕を振り落とそうとした。

「リム! 動くな!」

 イチが言ってくれたので、リムの動きが止まった。


 安心して水の癒しを実行、僕が思った通りリムの右手がゆっくり生えて来た。


「カエル君? 水の癒しってそんな凄い魔法じゃ無いぞ? 欠損部位再生ってカエル君凄い!!」


 リムは泣き崩れた。

「こんな奇跡、誰も信じんだろう……イチ様、こちらの片足の娘再生治療やって貰えませんか? 銀貨5枚購入でも良いし、奴隷が不要なら金貨2枚お礼します」


「ご主人様! レンも私以上に可哀想な娘、治せるならお願いします!!」


⦅カエル君? 右脛が無いが治せる?⦆

「任せろ! レン寝てくれるか?」

「レン、横になって!」

 僕の言葉奴隷には通じて居ない? イチが通訳してやっとレンが寝てくれた。

 僕はレンの右足に跳び移った。

「水の癒し! 実行!」


 今度も上手く行った、レンの右足がゆっくり生えてる。


「店主どのレンも購入する」

 イチはオウツに金貨1枚渡し、奴隷の首輪をレンに装着した。

 オウツは銀貨5枚、イチに返していた。


 この奴隷商大丈夫か? 律儀過ぎるぞ!

「リムもレンも結構美少女だ、戦闘奴隷で無く娼婦なら充分通用するだろうに」


「リムにレンは戦闘奴隷希望で有りまして、少ない選択置叶えて遣りたくて」

 このオウツって、隷商に向いて無い善人過ぎだ! こんな良い奴に奴隷商って悪どい商売長くは続かんだろう、何か出来ないか?


「イチ、欠損部位の有る奴隷を格安で購入すれば、僕が治して高価販売出来るぞってオウツに言ってくれ」


「店主の善人振りに感服した協力しよう! 欠損部位奴隷を他の奴隷商から格安で購入すれば、再生治療依頼を受けるぞ! 私は当分王都で活動する!」


「有り難う御座います! 依頼は護衛として指名依頼させて頂きますです!」

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