第7話 王都でいきなり奴隷商へ
その後盗賊も山賊も現れない順調な旅になった。
「退屈な旅だね」
「そう? 僕はイチが色々教えてくれるから、結構楽しいよ」
イチは孤児だったそうで親も兄弟も居ない、頼れる者が居なくて嘔吐やお腹を壊しながら、食べられる物を実体験して知識を得たって言いながら、野草や薬草食べられる木の実や果物を教えてくれてる。
あれ? 日本に僕のお父さんやお母さんが居たはず……思い出せないな? 僕も孤児だった? いや、勉強しろ! って口うるさいお母さんが居た様な? ま、良いか日本の記憶で役立つ物って殆ど無いから、どうでも良い。
「イチは料理も上手、いつも美味しい食事作ってくれる! イチとなら王都なんてどうでも良い、このまま旅が続いても僕は充分楽しいよ」
「そう言うカエル君が居るから、私も旅が出来る! 一人だったら王都なんて目指さないよ」
6ヶ所の町に寄り、ギルドに素材を売りながら、イノシシ肉を食べ尽くし、ウサギを狩って食べたりして30日ほどの旅で王都に着いた。
王都は最果ての町ほど感激しなかった、小さなカエルの僕には巨大としか感じない面白味の無い所だ。
冒険者タグ特に銀のタグは、身分証明と言う意味では万能みたい、タグを門番に見せるだけで王都に入れた。
イチは冒険者ギルドに直行、受付カウンターで。
「最果ての町から移動した、Dランク冒険者イチです、当分王都を拠点にします」
「Dランク冒険者イチ、歓迎します」
キリリと凛々しい、受付カウンターのお姉さんが笑顔で言ってる。
「王都奴隷商の場所を教えて下さい」
「そうね、パーティー組むなら奴隷が良いわね……でも良い奴隷は高いわよ、場所は娼館街を抜け北のスラム街の入り口に在るよ」
情報聞いて北に向かってる、昼間の娼婦館は薄汚れ綺麗じゃない。
段々嫌な雰囲気が漂って来た、伺う様な視線を多く感じる、イチも警戒しているようだ。
「イチ? 奴隷を買うの?」
⦅あぁ、お金は物凄く大金が手に入った、このチャンスを逃すと、私に冒険者仲間出来ないよ⦆
イチは小声で答えた。
⦅カエル君、水魔法が使えるのだから、水の癒し、回復魔法も使える?⦆
「回復魔法? やってみないと分からん」
ラノベの定番だね、僕の魔法目当てでイチは手足欠損奴隷を格安購入する気か。
イチは弱っている奴隷を回復させる意味で言ったが、カエル君は考え過ぎだった。
「イチ、あれじゃ無い?」
奴隷商は聞いてないと気付かない普通の建物だった。
ドアを開け中に入った。
「ここは奴隷商で間違い無いな?」
「オウツ奴隷館にようこそ! 銀のタグ冒険者様!」
流石奴隷商、客を抜かり無く観察してる。
「女性奴隷を見せてくれ」
「良い戦闘奴隷を揃えて居ります! 此方へどうぞ」
奴隷部屋で現状を見せるのか? 結構良心的奴隷商のようだ。
イチが何か呟いて居るが、僕はラノベでしか知らない奴隷商、キョロキョロ見てるだけだった。
女性戦闘奴隷は厳ついオバサン揃い、イチの命令聞きそうに無いぞ。
「今日は止めとく」
「この先は手足欠損奴隷で非常にお買い得です、義手義足を装着させれば戦闘も出来ますです!」
イチが店主のお眼鏡に叶ったのか、普通は通さない所へ案内してる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます