第三話 やさしさの意味合い
笑美が姿を消したまま年が明けて、あれを最後に叔父は声を荒げることがなくなった。二人で過ごす時間はどこまでも穏やかで、間違いがない。私は遅れていた勉強に打ち込むことが叶い、飲み会にも招かれるだけの交友が生まれて、大学生活も、少しずつだが順調さを取り戻していった。
「楽しいのはわかるけど、ウチの門限は二十二時! もし超えそうなら必ず連絡してくれ。迎えが必要なら車も出す。お酒も、ハタチまでは当然禁止だ。口うるさくて鬱陶しかろうけど――わかって欲しい。君は姉さんから預かった、大事な忘形見なんだから」
夢にまで見た健全な暮らし。忍び寄る孤独を打ち消して心を砕いてくれる、唯一人の家族。こんなにも篤く面倒を見てくれる優しい叔父を、感謝こそすれど迷惑に思うはずがない。まして、不気味に感じるなんて、あってはならない――ならないのだ。
「うんわかった。ありがとう、叔父さん」
ふと思った。笑美は、この家のどこかにバラバラにされて眠っているのではないか、なんて。詮の無い疑心だ。けど、いつあの子の肉片が下水のほとりに打ち上がるかもわからない。翌る日に刑事さんがやってきても、何食わぬ顔ができるよう、私は人知れず嘘泣きの練習を重ねた。
◆
「直美ちゃん、飾り切り上手くなったねえ。そのまま盛り付けも頼めるかな。あ、その前にほら、あーん」
梅干しを叩いてソースを作る叔父さんと並んで作業をする。差し出された匙へと首を伸ばして舐めとれば、酸味の死んだ甘ったるさが口の中に広がった。
「んー……ハチミツ強過ぎて全然梅っぽくない」
「あれ、レシピ通りに作ったんだけどなぁ。梅が安物だからかな」
調味の友を求めて冷蔵庫を漁る叔父に背を向け、切った野菜を木皿へ盛り付けて行く。彩りに、パックから剥がした生ハムをくるくる巻いて載せれば、ままごとの薔薇の出来上がり。私の肩越しに出来映えを確認した叔父さんが、感心した様子で頷いてくれた。
「いや本当、器用によくやる。やっぱりこういうのは女の子の方が向いてるね」
「褒めすぎ……こんなの火も通してないよ。叔父さんの方がずっと料理上手じゃない」
「僕のは見映えなんて度外視した男の料理だろ? ワケが違うよ。いやあ、こんな小さかった直美ちゃんがなあ。これなら絶対、いいお嫁さんになる」
ぴたり、トングが洗いさしのまま、蛇口の水に打たれて固まる。
「……あのさ、叔父さんは、どうして結婚しないの?」
「うぐ。それはもしかして、『今ドキお嫁さんがどうのなんて褒め言葉になりやしません〜〜』という、意趣返し……」
「そういうんじゃないよ。ただ、純粋に気になっただけ」
蛇口のレバーを戻して、トングから水を切る。広いシステムキッチンは整頓されていつも衛生的だ。すぐ至近距離で困った顔を浮かべる叔父は、やや中腰になって私の言葉に耳を傾けてくれている。アイロンがけや洗濯は下手くそだけれど、世の四十代の中でもきっと上澄みに位置する清潔感で、きっちり前髪を整えて人前に出る人だった。モノトーンで統一されたクローゼットの中身も、奇を衒うことなく整然として美しい。……色ごとに疎い私でもわかるけど、叔父は多分、世間一般から見てもモテ得る男性だ。
「叔父さん、恋人がいるって話聞いたことなかったから」
「そりゃあ、僕の職業考えてくれたまえよ。毎日製図ペン片手に部品と睨めっこ。趣味で話せることと言ったらやれあの野鳥の研究がどうだ、やれあの漁港はゴカイがたくさん獲れるからルアー要らずだ、女の子ウケしないことばっかだ。ついて来れる子がいないよ」
「私は、できるけど」
髪をいじる代わりに、三角巾の端を引っ張る。けれど私の精一杯の勇気は、正しく伝わらなかったみたい。
「本当、世の中の女性がみんな直美ちゃんみたいにたくさん本を読む人だったらなあ。まあ、独り身の楽しさがすっかり板についてしまった独身貴族だ。今更ウマの合う女性が現れたとて、テリトリーを崩されるのは、ちょっとね」
この朴念仁。それなら期待を持たせるようなこと、言わないでほしかった。むすくれる気持ちのまま、あてつけがましく八つ当たりを口にする。
「なら私たちを引き取ったの、迷惑だったんだ。一人暮らしの邪魔しちゃってごめんなさい」
「そんな寂しいこと言わないでくれよぉ。きみに頼られるのはいいんだよ。ずっと昔から知ってるし……直美ちゃんは特別だ」
口角が上がりそうになるのを堪える。偏屈者を自称する彼の価値観を屋根裏部屋で写し取った私をおいて、こんな優越を実現し得る女は現れまい。このうえ一つ屋根の下を許され、特別の二文字を甘受する。全能感を空へと浮かべて私は、むくれた面をちょっぴり緩めて、叔父さんのまなざしへと目線を絡めて返した。機嫌を直したかと安堵した彼の眩しい破顔が、この胸のちょっとしたプライドを容易く薙ぎ倒して風穴を通してしまう。防壁をなくした剥き出しの期待へ、懲りもせずに槌が一撃。
「だって君は、目に入れても痛くない――愛娘のようなものなんだから」
なぜだろう、チリついたモヤは、笑美の嘲笑の響きで頭蓋の奥を駆け回っている。
◆
「ええ、それはさ、女として見られてないじゃん。もっとストレートに好きって言っちゃえよ」
「それを家族愛だって捉えられちゃうんですってば」
「ああ、そいつは難敵だ」
キャンパスそばの馴染みのファミレス。向かいに座った先輩がハンバーグにこんもり載ったタマネギソースを鉄板皿の左右へ散らしていく。私は揚げたえびの隣で渦を巻くマヨネーズのとぐろを眺めて、また一つため息をついた。
「それに私……別に彼と『そういう』関係になりたいなんて言ってません。ただ、完全に眼中に置かれてない感じが、もやっとするだけで」
「それを『ヤりたい』って訳するんじゃないかね、古今東西の恋愛映画は。小林のそういう変な意地も、あちらさんにその気を起こさせない分厚いクッションになっちゃってるんじゃないかしらん」
小林というのは私のことだ。向かいの金髪、橋田先輩の文学かぶれの変な喋り方はどうにも鼻についたが、今日の喫煙所で暇そうにしていたのが彼女だけだったのだから仕方がない。あれはタバコも吸わない未成年には縁遠い場所と思えたが、忙しない現代においてぼうっと空を見上げているような暇人、絶好の話し相手を捕まえるのには程よいホイホイ箱である。
「私が意地を張ってるんじゃあなくて、言おうにも言えない……というか」
「何、既婚者だったりすんのか、そのバイト先の先輩ってのは」
バイト先の先輩、インカレで知り合った他校生、親戚のお兄ちゃん、フィクション作品の推し王子。人に相談するたび、叔父の世を忍ぶ仮の姿は変えさせた。共通してるのは、『彼』は年上で、とても優しい人だが、私を歳の離れた妹のようにしか見ていないって設定くらい。私とて、インセストなアブノーマルに両足を突っ込んでいる自覚はある。
「まあ、そんなところです。だから私は、ほんのりとした憧れのままでよくって。けど最近二人きりで……その、シフトに入ることが多くて」
「そのままガッついて乗っかりたくなっちゃうって話だろ。既婚者はヤバいよ小林〜〜、向こうもその気ゼロで正しいじゃん。お前一人やばいだけ」
「……やばいんですかね」
「うん、言われなきゃわかんないとしたら更にやばい」
先に言った通り、まずい自覚はある。だけど憧れを抱くことすら罪なのだろうか。その辺り、奔放な妹と、異常な――悪夢だったと忘れ去りたいあの獄卒の存在が、私の『普通』の基準を大幅に下方修正して狂わせているのかもしれない。
「てか、小林が優しい優しい連呼してベタ褒めしてる、そのバ先の先輩くんだけど。本当に人々の口の端に上がって誉れ高く語られるほど優しい男なのかね?」
「? どういうことです?」
「小林はさ、電車でジジババに席とか譲るタイプ? まあ見るからにそういういい子ちゃん行為でアイデンティティかき集めてそうな薄い存在感だわな、聞かんでもわかる」
失礼な女は話の片手間に玉ねぎ除去の終わったハンバーグにようやく銀の三又を潜らせて、火の通り切ってしまった元・ミディアムレアの断面が肉汁を溢して泡が立つ。この会話こそが主旨たる食事の片手間なのかもしれないが。
「もぐもぐ、んめ。 んじゃあさ、席を譲ってほしそうに突っ立ってるのがジジババじゃなくて、お前の大好きな先輩くんだったら? あ、松葉杖ついてるって設定で」
「……そりゃ、喜んで譲りますけれど」
「じゃ次、それがお前の大っ嫌いな小学校の鬼婆先生だったら? 教室の後ろで大事に育ててた金魚が死んだ時、ノータイムで死骸をゴミ箱にポイしたようなクソアマが松葉杖ついてあんたの前に立っている」
それは彼女の実体験だろうか。なんとも独特ないきさつの過去を捏造されたが、なんとなく指定された前提は汲めた。要は、苦手なやつが自分に助けを求めてきたら、という話だろう。頭の中では鬼婆ではなく、失踪中の妹がタオル一丁でニヤニヤこっちを向いている。
「……譲りますよ。それで、すぐに車両を移って関わり合いにならないようにします」
「うへえ、マジか! あたしだったらゼッテー譲らんし、なんなら揺れに乗じて松葉杖蹴っ飛ばして指差して笑うまでやるぜ! ……まあ、譲る譲らんは問題じゃなくて。今の各思考実験の、キモチのところを心のクリップボードにメモしておいてね」
訳がわからないが、とりあえず頷いておく。
「バ先の先輩くんに席を譲った時の小林は、まあまあ前のめりだったでしょ。いいとこ見せれた、ポイントが稼げる、カノジョにしてもらえるかも、なんて」
そこまで具体的な打算ではないが、類する期待はあったと思う。
「で、ブタ子こと鬼婆の時は、選択の如何以前に関わらなきゃならんって時点ですげーー胸糞悪くなってたでしょ。人道をガン無視したイジワルして仕返しすることだって考えるくらいには」
それは橋田先輩の捻くれた根性の話だろうと口を挟みたいのをグッと堪える。妹のことを思い浮かべた時点で私も同罪だ。
「じゃあ顔も知らないジジババに席を譲った時は?」
「普通に……『いいことしたなぁ』ですかね」
「そうね、好意も嫌悪もない、興味の対象でない隣人に対して人は、だいたいそういうふんわりとした善性で接するもんだよ。こだわりがないから」
ヤニでガタついて黄ばんだ前歯、下一本は銀色に置換されている。しょうゆだれのついた口元をにんまり歪めて、女は私の敬愛する叔父を、知らないくせしてモンタージュしてみせた。
「だからお前も、良くしてもらえてるだけなんじゃないの。なにをやっても、どうでもいい女だから」
たぶん、女なりの善意だったのだと思う。道ならぬ恋に踏み外れそうな後輩に、すっぱり悪路を諦めさせるための非道いひと刺し。けれど受けた私の痛みは古傷で、二度目のそれも、初撃の屈辱を呼び覚ましたにすぎなかった。
『もしかしなくてもあの人、おねえにちっとも興味ないんだね』
妹の不躾な罵倒は、私を透かした向こうの叔父を、これ以上なく的確に捉えていたのかもしれない。
◆
髪を染めた。橋田に倣って真っ金々に。平安顔には到底似合わぬ頭髪に、叔父はほんのり眉を顰めるだけで何も言わない。
眼鏡をコンタクトに換えて、髪を束ねて扇情的な服を着た。と言っても根暗の私に流行りの機微がわかるはずもないから、妹の部屋からヘソの出る服を拝借した。体格は殆ど一緒のはずなのに、あの子と違って馬子にも衣装とはいかなかった。叔父は、真冬なのにと健康面を気遣うばかりだ。
……南無三、ぎゅっと目を瞑ってわざとドアを乱暴に閉めた。震えを噛み殺す私に、様子を見にきた叔父が一言。
「大丈夫? 指、挟んでないかい」
こんなにも引っ掴みやすくまとめた涼しいうなじに、彼はこれっぽっちも目くじらを立てなかった。優しい、私の大好きな叔父さん――今ではその穏やかな受け止めが、無関心な受け流しに思えて仕方がない。
『どうでもいい女だから』
橋田の例え話は、私に二重の角度で突き刺さっていた。私への無関心、それと、彼がある人物へと執拗に剥き出しにしていた、いわば負の関心。嫌悪の情も、情であるとするならば。それは果たして、無関心よりずっと激しく彼の心を焦がしたと言えるのではないか。
「直美ちゃん、どこほっつき歩いてたんだ、もう零時だぞ」
「……飲み会。盛り上がっちゃって、連絡する暇なかったの」
「この間もそう言ってたろ。次はないよ。きちんとルールは守りなさい」
「お、叔父さんには関係ないでしょ……」
「……そんな寂しいこと言わないでくれ、たった二人の家族だぞ、僕らは」
ああなんて優しいひとだろう。悪たれて生意気をほざく小娘に声ひとつ荒げず、整然と秩序を説く。その慈愛深く忍耐強い姿は、まさしく大人の鑑と言えた。――何をかまととぶっているのだろう!? 笑美のことは、箸の使い方くらいで吐くまで殴った外道のくせに!!
「子供扱いしないでよ! 私もう、お酒だって飲めるんだから!」
「直美ちゃん……自分で飲んだの? それとも、断れなかったのかな。だとしたらその付き合いはもう絶対、保護者として許してやれない。連絡先を消しなさい」
ああもう、そうじゃないでしょ! こんなにわかりやすく、あなたの嫌いな莫迦女を演出しているのに! 橋田にもらった洋モクの箱をわざと取り落とせば、素早く拾った叔父が、私の手の届かない高さでそれを握りつぶした。私にやってくれればいいのに。
「本当に、よくない友達みたいだね。こんな不味い棒切れの何がいいやら。ちっとも大人っぽくないから二度とやるんじゃない」
「う、うるさいうるさい! 叔父さんだって隠れて吸ってるんでしょ! 私の前では吸わないのに、笑美には……笑美には汚いところも見せて!!」
「よくわからないな。なんでそこで笑美ちゃんが出てくるんだ。今は君の交友関係の話だろ」
「私はずっと私たちの話をしてる!!」
死んでるんだか生きてるんだか知らないけれど、妹は特大の呪いを残していった。私がこんなにあれこれ、くだらない不良の真似事を努力しても決して怒らないあなたが、どうしてあの子には手を挙げたの。あの子の一挙一動のどこがあなたの琴線を掻き鳴らしたの。私じゃドとレとミの音も出ない。静謐な時間は、ただの壊れたクラリネットだった。私だけは、何をしたって叔父に殴られることはない。かつては安全圏に思えた絶対の城壁が、今では頑なな監獄の塀に名を変えてしまった。私はその囲いに貧弱な爪を立てて泣いている。
「心配するふりなんかしないで……! どうせ、私のことなんてなんとも思ってないくせに!!」
「ッ、そんな訳あるか馬鹿!!」
「っ……」
初めて正面で受け止める叔父の怒声は、隣で聞いていた時よりどこか頼りなくて必死だった。
「僕は、この歳で結婚ひとつ出来ない仕事人間だ。姉さん以外心を許せた女性もいない。まして人の親代わりなんて、きっと上手くいくはずがない……そんなのわかってる。それでも」
淡々と厳しいお説教の切れ味が、次第にたどたどしく、精細を欠いた鼻声へと濁って鈍る。
「おじ、さん……泣いてるの……?」
「それでも、それでもぼくはさ、心だけは、君の本当のお父さんのつもりで……あの日君を迎えにいったんだ……」
「――、」
葬儀でも泣かなかった彼の、初めて見せた涙。それは私のために流されているらしかった。急激に自分が恥ずかしくなって、どうしようもなく消えて無くなりたい。私は、この温かで途方もない愛情を、どうして無関心の嘘っぱちだと疑ってしまったのだろう。釣られて私も、呼吸が感傷で湿ってえづく。
「おじさ、ごめ、なさっ わたし、わたしっ」
「直美ちゃん……笑美ちゃんのことで僕はきっと、君を酷く傷つけた。この家を出ていきたいなら金銭面の支援は惜しまない。直接は二度と関わらないことだって約束する」
溢れるそばから拭うから、コンタクトがずれてかなわない。視界は涙で滲んでしまったけど、叔父もまた落涙していることは息遣いで知れた。大きな手のひらが、私の両肩をがっしりと掴んで、居場所を確かめるみたいに何度も揺すぶる。
「だから、自分を傷つけるような真似だけはしないでくれ……姉さんからもらった大切な体を、どうか大事に……!」
「うんっ……うん……!」
どちらともなく抱き合って、互いの言葉足らずを恥いる。そうだ、忘れていた。あの女たちが肉欲めいた揶揄を吹き込むから、私もそうだと引きずられていた。この想いは初めから家族の――アガペを編んだ美しい愛情だったのに。彼の唱える特別。たった一人の愛娘。それが許されるからそれでいいと思えた。きっと、彼の自慢の娘でいることが、私の淡い憧れが本当に選択すべき自己実現の方針だったのだ。
「ねえ叔父さん、私のこと好き? ――笑美より?」
「勿論だ。この世で一番大好きだよ、直美ちゃん」
欲しい言葉は優しいテノールで斜め上から流し込まれる。なんだ、あの子が殴られていたのは単に嫌われていたからじゃないか。やはり笑美の方から叔父さんに失礼を働いたに違いない。わたしはとくべつ、とくべつだいじ。麻薬のように沁み込む言の葉が、思考を薫り高く鈍麻させていく。うれしさの中で死ねるなら今がいい。大好きなひとの胸に抱かれて、私がうっとりと目を閉じた――黄金の宮殿の完成を、固定電話のベルが高らかに打ち壊す。
「……こんな時間に、誰だろう」
「叔父さん、迷惑電話じゃ」
「いや、出てみるよ。アレのこともあるし」
叔父の言葉は暗に、私が今日まで口にしなかった不安の到来を示していた。妹さんが、遺体で見つかりました――そんな眩暈のする悪夢を、寝ても覚めても頭の片隅で繰り返し見て、怯えながら生きていた。
「……はい、
虚空へ相槌を打つ叔父の背中を見守る間、私の背もまたじっとりと汗ばんでいった。少しもしないうちに受話器が置かれ、彼が振り返る。その面相が灯した苦々しい表情が何を示しているのか、子供の私にはわからない。
「笑美ちゃんが見つかった。自分でここの電話番号を喋ったらしい。警察署で保護してるから、迎えにこいってさ」
潮は、一度引いてから押し寄せるのだと、昔叔父から教えてもらった地球のふしぎが頭をよぎった。
〈続〉
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