30話「そして伽藍と成る」
(あぁ……もう………………眠い…………。)
この従者をどうにかしないといけないのに、突然起きた後に続く眠気のせいでそれどころではない。眠い。本当に眠い。眠すぎて眠い。戦えるかな…………途中で寝ないといいけど。
「とても眠そうですね。」
「ん…………確かに、眠いねぇ。」
縁を、切る。
生命の線を、斬る。
世界との■■を、KI■■■■■■■■■■■■■■。
瞼を下ろす。
『名前は。』
「槐 憩です。昔の名は捨てました。」
『
『肉体は。』
「楽園に棄てました。」
『宜しい。』
『臓器は。』
「貴方に。」
『………………宜しい。』
『役割は。』
「始祖です。其れは今も
『それは其の儘で。宜しい。』
『……世界は。』
「仏が在る
『そうだ。』
『次元は。』
「ワタシが在る場所です。」
『そうだ。』
『お前は、なんだ。』
「…………落ちた■■です。」
「それは、けして変わる事の無い……………………」
「『世界は
「世界は伽藍の侭、
全てが棄てられ世界は沈み、沈み鎮まり息はできず
例え人が人が人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人が死んでしまえども輪廻其の侭で生きている。
生きる活きるK■■■■■■■■■■■…………………………………………。
世界に線が絡まり空回りワタシは底に其の儘に生きる行くる往くる逝くる。
くらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらくらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからからから
からからと、音が鳴りました。
からからと、音が消えました。
からからと、からからと。
からからと、からからと、からからと。
からからと音が鳴ったので、貴方の中身がなくなってしまいましたね。お疲れ様でした。
瞼が上がり からから 暗い世界からワタシが今去った。
からから からから からから
からからからからからから
肉体から臓器が引き摺り出された■■家の従者を横に供えられた小さな仏の像と共に眺める。
それはまるで、知識の無い幼子のように見えるに違いない。
崩れ落ち始めた屋敷を後にする。
(…………あぁ……名前、名乗りづらくなっちゃったなぁ。)
ワタシの名前は『■■■■』に成った。
それでも、ワタシは『槐 憩』である。それは仏からの慈悲だろう。
(…………偽り深い感謝を、
(ワタシの主は仏ではなく、楽園の主のみですからねぇ。)
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