4.5章『穏点』
「そうだ、プールを楽しもう(1)」
「天使さん天使さん。」
「ん、何?」
今、ボクは隣に座っている故と一緒に足をぷらぷらと揺らしながら四番目の話を聞いている。
「あのさ、わたくし行きたい場所があるんだけど。」
「…………なんでそれをボクに?」
「なんでなんで〜?」
故はふざけて野次をし始めた。
「いや……一緒に行きたいな〜……って。」
「「?????」」
「え、何…………お兄様が寝取られるって事???」
変な事を考えてしまったらしく、故に思いっきり抱きしめられた。………………ちょっと苦しいかもしれない…………。
「違う違う違う違う!!!!」
「寝取られは学生にはドロドロ恋愛すぎるから違う。」
四番目の弁明が早かったので多分別の話なんだろう。……何の話なんだろう?
「「それは、そう。」」
「七不思議の皆で海かプール行きたいって話。」
「あぁ…………。」
「もうちょっと言い方どうにかできなかったの???」
故が更に力を入れて抱きしめてきた。
「ゆ……故…………痛………………っ…………。」
「あ、あッ!?ごめんなさい!!!」
「い、いよ……。」
「うぅ〜……。」
「でさ、海かプール行きたいんだけど……どう?」
「ん〜……。」
「五番目だけは無理だよね。吸血鬼だから。」
「それはまぁ……。」
「そこはどうするの?」
「あと、多分三番目の兄の方も無理かな。」
「……あの人何かあったっけ?」
「あの人、今動けてるけど一応はガチモンの死体だからね……沈むんだよね。確か。」
ボクの記憶通りならその筈。後で確認しに行こうかな。
「「…………ぇ゙っ。」」
まぁ……これを聞いたらその反応になるよね。
「…………もう無理な人2人もいるんだけど。」
「無理な人達は別所で楽しんでもらおうかな。そのくらいしかできないでしょ。これ。」
「…………確か、に……?」
「…………。」
周囲が沈黙で覆われてしまう前に、故が口を開いた。
「…………ま、まぁ……話すだけ話しておこうよ。」
「そ……そうだね。」
「う……ん……。」
塔に皆を集めて事情説明後……
「確かに私は無理だな。」
「僕も無理ですね。」
「でも……お兄ちゃん……。」
「……………………これってプール?海?」
「どっちの予定なの?海は神の棲息地が近いから行けないけど。」
「故、ボクが言う前に
「ごめんね。」
「…………後で裏ね。」
「……はぁ〜い……。」
故は嫌そうに言いながら後ろからボクに抱きついた。
「んふ〜〜……。」
「……もう…………。」
ボクは故の頭を撫でた。
「で、どこのプールなの?」
「…………どこのプールがいいかな。」
「掃除はされてるけどあんまり使われてないプールを知ってますよ。」
「じゃあそこで。」
四番目のその一言で決まった。
「…………ねぇ。プールはいいけど水着はど〜すんの。」
「あ……。」
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