小話「デカすぎた主語、本人の声もちょっとデカい。」
とある日の夕方。
新しく四番目としてやってきた怪異は、放送室でいそいそと何かをしていた。
何かが終わったのか、イスに座り机の上のスイッチを触る。
そして、固定されているマイクに手を添え、声を出す。
「皆さん、地球って大きいですよね。」
それを聴いた、占いの真っ最中の六番目は一言呟いた。
「は?????」
「……顔の人。」
「はい。」
「今、放送室に誰か……いるんですか?」
「あ〜……新しく入った四番目がいますねぇ……。」
「……?四番目は前から__」
「前の四番目はね、七番目と色々な事に巻き込まれたから合併した。」
「…………今度、オカルト部の部長連れてきます。」
「おっけぇ〜〜。」
『地球。それは、まるっこい何か。宇宙に埋め込まれた神秘のうちの1つ。』
「うっるさ……。」
「あ〜も〜…………声デカい……。まだ夕方でよかったぁ…………。」
「主語もデカいですよね。」
「地球だもんねぇ……。」
「あ、占いの結果ってどんな感じですか?もう目を開けてもいいですか?」
「占いは終わってるから開けていいよ〜。」
「じゃあ開けます…………。」
『皆さんは、』
「ごめん。うるさすぎるかも。ちょっと行ってくるねぇ〜。」
「あ、結果はメモを残してるからそれ見て。」
「あ、はい。」
六番目は空き教室のドアを開ける。
「いってらっしゃい…………?」
「行ってきま〜…………帰れるときに帰ってね〜。」
「はい……。」
「………………………………??」
廊下に出て、ドアをゆっくり閉めた。
ー放送室ー
「もしも〜し。四番さ〜ん。」
そう言いながら彼の目を両手で塞いでやる。
「…………え、誰?」
「六番で〜す。うるさいから文句を言いに来ました。」
「え〜?うるさい……?」
「うん。うるさい。」
「…………わたくしの声量って元からこのくらいだから……」
放送する為の機材の電源スイッチを押す。
「…………え〜。もう終わり?」
「今日はもうおしまい。」
「でも……もうちょっとだけやりたいなぁ…………。ダメ?」
「ダメ。」
「でも……」
「ダメ。」
「お願い」
「やらせません。」
「やらせな!!!!!」
「む〜り!」
あれから。
……主に■■で。
「そういえば、なんだけど。」
「……うん。」
「四番の性別ってどっち?」
「…………男。」
(…………男の娘って事かぁ……。)
(この子もクセ強いなぁ。)
今までの四番目の容姿を少しだけ思い出す……。
「……ここの学園の七不思議の四番目って、中性的な見た目じゃないと駄目なの???」
「知らない。そうなの?」
「うん。だから性別が解らなくなる事が多かったんだよね〜。……前の四番目は逆に解り易すぎた気がするなぁ。」
「なんで?」
「ん〜…………なんでだろう。目かな。」
「目?」
「目。造り物みたいだったから。」
「え??」
「あとは、血液もかな。」
「…………それらのどこに性別との関わりがあるの???」
「…………え、適当だけど〜?」
「は??????????」
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