7話「七不思議達の休日.2」

彼等が昼飯を終えて雑談をしてから数時間後。

塔の中に今の七不思議達が全員集まった。


「何か騒がしいと思えば、アレは自己紹介だったか。」

「……。」

「やってない人達もやってみてよ。」

「ぇ〜……。」




なぜか自己紹介をする羽目になってしまった。

……これ、ボクの場合はどうやって自己紹介をすればいいんだ……?

「じゃ〜〜あ〜〜〜〜…………二番目!」

「はいはい。わたくしは七不思議の二番目赤布の花嫁。そして名は椿ですよ。……出身は壁の中の、中央近くの東側の1番都市ですよ。」

「次一番目〜!」

「わ、わたし……。」

「……わたし、七不思議の一番目保健室の蛇塚先生で、それで、本名は萌宮もえみや 早芽さなめなんです……。出身は壁の中の……確か北西の……ええと……。」



「……忘れてしまいました…………。」

「まぁ忘れちゃったら仕方ないよね。」

「そうだね。先生はかなり昔の人みたいだから出身の場所がもう無い可能性だってあるよね。」

「次〜は〜…………。」


「え、これどっちがいい?」

「…………最後に聞きたい方に投票……というのはどうですか?」

「アリ!」

表を書くのは面倒なので、指で示す事にしたらしかった。



【結果】

五番目:2

七番目:6


「まぁね。まぁまぁまぁ。」

「よし、それでは自己紹介をしようか。」


「私は七不思議の五番目東洋の吸血鬼。本名はアリシアだ。好きに呼んでくれ。出身は東側だな、都市の名前は知らん。以上だ。」

「はい最後。」

「……ボク……かぁ…………。」

(どう…………しよう。)

(流れに任せ…………は、無理かな。)


「ボクは七不思議の七番目理科室の天使さんだよ。本名■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。」




《情報検閲中》





《情報処理中》




《情報確認中》





《不必要を消去中》





《提供の再開を希望中》






《再開》



「……??」

「……あれ?」

「私には何も聴こえなかったんだけど……????」

「あ、あははぁ〜…………みっともなく泣きたくなっちゃったぁ…………。」

「「「「「「????????????????」」」」」」

※先程のものは六番目にはしっかり聞こえています。

「…………なんか……色々と…………理解しちゃった…………。」

「何?」

「「なになに〜??」」

「何の話だ?」

「…………内緒、の方がいいよね。」

「まぁ……そうだな。そうしておいてくれ。」

「……うん…………。」



(……今の、なんで六番目は聞き取れたんだ……?)

(……ま、まぁいいや。)



それから、夜はどうするのかを話し合った。




…………そして、なぜかお泊まり会をする事になった_____。








「…………で。なんで聞き取れたんだ?」

「…………。」

「……昔。この学校の七不思議の中に使っていたでしょ?」

「あぁ……そういえばいたな。」

「……ワタシが死ぬ前…………ぇえと、つまりこの学園に逃げ込んだときに、その天使像にお願いをしたんだけど、代償として首切りされちゃって。その後になんか眷属下僕になった。」

「だから、本物の天使様の声を嫌でも理解できちゃうんだよねぇ。」

「へぇ〜…………。」

(……なんか厄介だな。)

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