第2話 利子植物と箸植物「じゃあ脱いで」

理科りかちゃん先輩!部室にある植物しょくぶつの水換えが終わりました!」


「ありがとう。じゃあ今日のテーマは、植物しょくぶつにしようかな?」


植物しょくぶつですか?」


「うん。全ての植物しょくぶつのうち、およそ8割を占めるのが、種子しゅし植物しょくぶつなんだよね。」


「8割?それは重要ですね!」


「まず種子しゅし植物しょくぶつは、種子しゅしによって仲間を増やす植物しょくぶつのことね。種子しゅしたねとも言うよね。」


「僕らも仲間を増やしましょうよ。部員が僕ら2人だけじゃ、寂しいですよ。」


種子しゅし植物しょくぶつには、裸子らし植物しょくぶつ被子ひし植物しょくぶつがあるのね。」


「似たような言葉が多いですね。ややこしいな。」


「どっちやりたい?」


「えっ?すみません。やりたいというのは?」


裸子らし植物しょくぶつ被子ひし植物しょくぶつ?」


「ああ、その2つですか?えっと、利子りし植物しょくぶつで。」


利子りし植物しょくぶつはないから!どっちでもいいなら、裸子らし植物しょくぶつをやってね。」


「僕が裸子らし植物しょくぶつですか?じゃあ理科りかちゃん先輩がはし植物しょくぶつ?」


はし植物しょくぶつもないから!私が被子ひし植物しょくぶつね。」


「はい。わかりました。」


「じゃあ脱いで。」


「えっ?今からここで、僕が服を脱ぐんですか?」


「そうだよ。だって裸子らし植物しょくぶつでしょ?」


「わかりました。これでいいですか?」


「ほら!見て!種子しゅしになる部分しかないよね?」


種子しゅしですか?」


子房しぼうがないよね?」


「ああ、脂肪しぼうはないですね。たまに体を鍛えてるんで。」


子房しぼうに包まれてなくて、種子しゅしになる部分しかないのを、裸子らし植物しょくぶつって呼ぶんだよね。」


「僕には種子しゅししかないんですか?」


「私は子房しぼうに包まれてるよね?」


脂肪しぼう?全然そんなことないですよ!理科りかちゃん先輩は、むしろスマートですよ?」


「だから私は被子ひし植物しょくぶつなんだよね。」


理科りかちゃん先輩も裸子らし植物しょくぶつですよ!」


「私は服を着てるから、被子ひし植物しょくぶつなんだよ?子房しぼうは、こう書くのね。」


子房しぼうって服のことだったんですか?」


種子しゅしにとってはね。」


「ということは?じゃあ今度は、理科りかちゃん先輩が裸子らし植物しょくぶつになってくださいよ!」


裸子らし植物しょくぶつ被子ひし植物しょくぶつの違いの説明は、これで終わりね。」


「終わり?ダメですって!理科りかちゃん先輩も裸子らし植物しょくぶつにならないと、僕にはわからないですよ!」


「科学をわかりやすく説明するのって難しいよね?じゃあここからは、クイズをしよっか?」


「クイズ?僕が正解したら、理科りかちゃん先輩も裸子らし植物しょくぶつになってくれますよね?」


いねは、裸子らし植物しょくぶつ被子ひし植物しょくぶつのどっち?」


いねって、田んぼに生えてるやつですか?」


「そうだね。」


「うーん。いね、イネ、イネー、いない、ない!ということは、答えは裸子らし植物しょくぶつですか?」


「残念!いねは、被子ひし植物しょくぶつでした!」


被子ひし植物しょくぶつなんですか?いねはあれで服を着てたんだ?」


「次の問題ね。イチョウは、裸子らし植物しょくぶつ被子ひし植物しょくぶつのどっち?」


「うーん。イチョウ、イッチョウ、イッチョウラ、一張羅!ということは、答えは被子ひし植物しょくぶつですか?」


「残念!イチョウは、裸子らし植物しょくぶつでした!」


「えっ?イチョウは、裸子らし植物しょくぶつなんですか?一張羅いっちょうらすら着てないんだ?」


「次で最後の問題ね。まつは、裸子らし植物しょくぶつ被子ひし植物しょくぶつのどっち?」


「また難しいですね。でもこれを正解すれば、理科りかちゃん先輩が裸子らし植物しょくぶつになってくれるはず。」


「かなり長考してるね。」


「うーん。まつ、マツ、待つ!ということは、答えずに、ずっと待てばいいのでは?あれ?理科りかちゃん先輩?どこ行っちゃったんですか?」

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