科学理科ちゃん先輩は手取り足取り教えたい〜天然×天然のお勉強×ラブコメ〜

まみ。

第1章 教科書ページ第1〜6話

第1章の通常回

第1話 鸚鵡の法則「ビビッと来たよね」

「ここかな?すみません。」


「さっき連絡があった入部希望の方?」


「そうです。それが僕です。この部活で、科学かがくをわかりやすく教えてもらえるって聞いたんですけど?」


「ここは理科りかちゃん研究部だよ?私1人しかいないけど。」


「1人だけなんですか?」


「うん。私の名前は科学かがく理科りか理科りかちゃん先輩って呼んでね。」


「り、理科りかちゃん先輩って呼ぶんですか?」


「それで私が部長けん副部長ね。よろしく。」


「よろしくお願いします。1人しかいないのに、副部長もいるんですね。」


「部の存続のためには人数が足りないので、私だけで何人も兼ねてるんだよね。」


「そんなことできるんですね?」


「じゃあ今日は仮入部ということで、お試しでオームの法則ほうそくについて解説するね。」


「おうむの法則ほうそくですか?」


「オームの法則ほうそくは知ってるかな?」


「はい。僕でも名前なら何度も聞いたことがありますね。しゃべる鳥のことですよね。」


「違うから!鸚鵡おうむじゃないから!」


「鳥のことじゃないんですか?」


「今までオームの法則ほうそくって、鳥のことだと思ってたの?」


「はい。いつも先生がなんで乾電池の話をしてるのか、僕にはわからなくて。なかなか鳥が出てこないなと思っていました。」


「全然わかってないね?」


「鳥の法則ほうそくじゃなかったんですね?」


「じゃあまず、直列ちょくれつ並列へいれつから説明した方が良さそうかな?」


「ぜひお願いします。」


「ちょっと手を繋いでいい?」


「えっ?いきなり手を繋ぐんですか?ああ、繋いじゃった。」


「こういう感じで手を繋いだ場合が、直列ちょくれつね。」


「どういう感じなんですか?」


「一つの線になるように乾電池が並ぶことを、直列ちょくれつって言うのね。」


「僕らが乾電池だったってことですか?」


「そう。私たち2人が乾電池だってことだね。」


「つまりどういう関係なんですか?」


「続いてこっちの手も繋いでみよっか?」


「えっ?両手とも繋ぐんですか?ああ、また繋いじゃった。」


「こういう感じで手を繋いだ場合が、並列へいれつね。」


「だからどういう感じなんですか?円になってませんか?」


「本当だ。こうじゃなくて、もっとこういう感じだね。こういう感じ!こういう!」


「ちょっと、あまり体をくっつけると、まるで2人でダンスをしてるみたいになりますから!」


「つまり同種のものを並べることを、並列へいれつって言うのね。」


「同種じゃないですよ。理科りかちゃん先輩と僕は、異性同士ですよ?」


「ということで。」


「ああ、手はもう離しちゃうんだ?でも人に例えると、なんか科学もわかりやすいような気がします。」


「今度は腕をこうして。」


「一体、僕で何をするんですか?」


「こんな感じ、こんな感じ。」


「僕がまるで十字架にはりつけにされてるみたいになってますけど。」


「そしてこの左手の方から、ずーっと体の方に流れて。」


「指で体を触ったら、くすぐったいですって!」


「体から右手の方に流れてくのが、電流でんりゅうね。」


「えっ?今のが電流でんりゅうなんですか?」


「ビビッと来たよね?」


「確かにビビッと来ましたね。」


「この体の真ん中で、電流でんりゅうが何かにぶつかるよね?」


「わっ!びっくりした。急にそんなとこを触らないでくださいよ!」


「こうやって電流でんりゅうがぶつかるよね?」


「だからそこを指でこちょこちょしたら、くすぐったいですって!」


「これが抵抗ていこうね。」


「あ、抵抗ていこうしてたんですね。くすぐったくて、頭に入ってこないですよ。」


「頭には入ってこないね。」


「えっ?入ってこなくていいんですか?」


電流でんりゅうは入ってこないね。」


「あっ、電流でんりゅうのことでしたか。」


「そしてさっきから私が、電流でんりゅうを流してるよね?」


「ずっと僕にはビビッと来てましたね。」


「私が電圧でんあつなのね?」


理科りかちゃん先輩は、電圧でんあつだったんですか?」


「これがオームの法則ほうそくね。」


「急に説明が飛びませんでしたか?」


「今日は仮入部だから、ここまでね!」


「なるほど、焦らす感じですか。これは続きが気になりますね!科学かがくが少し面白くなってきたから、後でアイツにも教えてあげたいな!」


科学かがくをわかりやすく説明するのって難しいよね?」


科学かがくをわかりやすく説明するのって難しいですよね。」

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